Pデフォ

最近こんなご相談をいただいたのにゃ。

「毎年、病気なわけではなさそうなんですが、梅雨明け頃から葉を落としだしてしまって、夏は可哀想な感じで…
秋には花は咲くんですが…」

九州の方だったのにゃ。

うりゃ笑

それは全然普通のことですね。むしろ上手にバラが育っていると思われます。

暑い夏はバラが要らない葉を落とすのは当たり前です。

これまで話してきたように、下の方の古い葉はお荷物なのでバラが落としたんですね。

暑さに強くないバラが、酷暑において要らない葉は落としていくのが健全な状態です。

酷暑の中で、葉が落ちること=バラに悪いことではない

バラへの虐待は、バラが落としたい古い葉っぱを落とさせないようにすること!

これはピーキャットしか言っていない本当の話です。
葉っぱが多いとバラが元気という錯覚から目覚めないと、いつまで経ってもバラを虐待する育て方になります。

春先から葉っぱを茂らせ、その葉っぱは秋深くまで付いていることがバラにとって良い状態だと多くの人たちが思い込んでいます。
でも、これは見た目だけです。
多くの人たちは病害虫被害で丸坊主になる恐怖を持っているので、バラが生理現象で葉っぱを落とすことすら許せない…
人間の欲がバラを虐待し続けます。

でも、バラは落葉樹!なんですが、落葉樹と常緑樹の違いが理解できない専門家も実際多いみたいです。
そりゃ、葉っぱを守るために必死に農薬散布するわけですよね…

バラの葉っぱの本当の話

まず、ピーキャット独自の理論をお話しします。ピーキャットが最初に話し、実践していることです。
バラは落葉樹、しかも春と秋に開花を迎える四季咲き性バラを皆さんが育てていることをしっかり理解しておきましょう。

四季咲きは春に出た葉っぱは秋にはもう古い、古い葉っぱはろくに機能しないので要らない

若い葉っぱは水をタップリ保持し強い光合成ができます。
気孔の開閉も活発で、これも光合成や熱の放出、病気への抵抗力などでとても重要です。
一方、古い葉っぱは固くなって水もあまり持てません。気孔の開閉も鈍く、光合成が鈍く、熱も放出できず、病気への抵抗力も弱くなります。

でも、人間の目からすれば大きくて緑が濃くて固くてパリパリな葉っぱが良い葉っぱに見えます。もちろん、見た目だけ…
四季咲きバラは秋にも栄養生長と生殖生長を繰り返すので、秋には若くて高機能な葉っぱが必須です。
なのに…
酷暑にもかかわらず古い葉っぱを付け続けることで新陳代謝、光合成、熱の放出、病気への抵抗などすべてが弱まります。
新しい葉っぱを出すこともできず、バラは致し方なく老化することで生き延びようとします。

この葉っぱの科学的なところは「葉っぱの本当の話」というオンラインセミナーで詳しくやっています。
機会があればどうぞご参加ください。

木質化は老化と同じ

ピーキャットの鉢バラがどうして購入してから良く育つのか?
一方、他店で買った鉢バラが全然育たないという経験をされる方も多いですよね。
この違いは若々しいか老化しているかの差です。
「充実した株」という妄想に取り憑かれ、多くの人が老化した株が良い株だと勘違いしています。
植物においては「充実=老化」という事実を知らないわけです。

枝は1年、葉っぱは3~4ヶ月
これを過ぎると、植物は細胞壁にリグニンを溜めて細胞壁を固くし細胞内の水を捨て、そして固くなっていきます。
これを木質化と言います。
完全に木質化してしまった細胞はもう細胞分裂できません。身体を支えるだけの細胞になります。
よって、木質化した細胞ばかりの枝や葉っぱはもう機能していないのです。

ただ、バラは生育力が強い!
だから、こういうことが理解できていなくても元気に育ってくれることが多々あります。
でも、これはバラからもらえる恩恵に甘えているだけであり、栽培の本当の楽しさも理解することが出来ないまま、バラへの虐待も続けてしまいます。
結局は生育力・成長力が強い品種しか育てることしかできなくなります。

暑さに弱いバラは無理しないで良くないですか?

一方、こういう葉っぱの本当を知っていれば暑さに弱い品種のバラは逆に酷暑は古い葉っぱを落とさせてあげたくなりますよね?
見た目は葉っぱが無いので悪いですが、バラにとっては心地良くなります。
ならば、暑さに弱くとも少し気遣ってあげれば元気に育つわけです。夏は丸坊主で見た目は悪くともバラは元気!

皆さん、見た目が大事ですか?それとも健康維持が大事ですか?

この判断はガーデナーにお任せします。
酷暑に緑が濃くて固い葉っぱを眺めるのが好きな人もいるかもしれません。
ローズガーデンのバラは夏でもたくさん葉が付いているじゃないかと言う人もいるかもしれません。
ローズガーデンはもちろん見た目重視。農薬を撒き、年中きれいに見せるためにバラに無理をさせ、寿命を縮め、悪くなったら株を入れ替えてしまいます。
皆さんのお庭で真似すべき栽培ではありません。

バラを育てるということは、バラの花を楽しむことが目的の人が大半だと思います。
ならば、夏は休ませてあげて葉っぱを入れ替えさせてあげて、そして秋には若くて強くて高機能の葉っぱを付けることで絶品の花を咲かせた方が…
どうですか?

ピーキャット流有機栽培は「花で楽しむ、花で遊ぶ」を大事にしています。
無農薬のバラの花を思う存分楽しむがモットーです。

また、これもSDGsの観点からも見ていってください。
化学農薬を住宅地で撒き散らしているような育て方はSDGsどうのこうの以前の問題ですが…

葉っぱの本当を知るだけで「酷暑の落葉はOK」となります。
もちろん、水涸れや病害虫被害による落葉はダメですが、元気に育てることで夏に葉っぱを落とす品種のバラもあります。
育てるのが難しいと言われている品種でも、夏に葉っぱを入れ替えることができれば元気いっぱいに育ってくれることが多々あります。
ピーキャット流有機栽培は品種を問わず多くの品種で無農薬化できているのは、夏の葉っぱの管理が他とは考え方もやり方も違うからです。

酷暑に葉っぱを眺めるよりも秋だからこその絶品の花を期待したい人はどうぞピーキャット流有機栽培をやってみてください。