根頭癌腫病を無農薬で止める!


根頭癌腫病の解説

根頭癌腫病菌はアグロバクテリウムという菌で、土壌病原菌です。
イオウ病、イチョウ病、根腐れ病、立枯れ病などを引き起こすフザリューム菌やリゾクトニア菌と同じ土壌病原菌として、完全駆除対象となります。
土壌病原菌というのは、土壌の常在菌ではありません。存在自体、あってはいけない菌です。
どこかから持ち込まれ、それが畑や庭に蔓延することで脅威となる菌ですので、完全駆除が必須です。

巷では、癌腫菌というのはとても強くてモンスター的に考えられているようですが…
植物を媒体にして潜伏し増殖するような菌は、実は自然界ではとても弱い菌です。
こういう菌は非常在菌と呼び、媒体が無ければ自然に駆逐されてしまう存在です。

「バラなどの媒体があるから存在し、無ければ存在しない菌」

こう考えてください。
菌の中ではとても弱い存在であるのが、アグロバクテリウムなどの土壌病原菌です。

症状


ご存じのように大きな癌腫の瘤を作ります。
これが地際であれば、下手すると導管を塞いでしまってバラを枯らしてしまいます。
また、瘤に栄養を取られていきます。
根に芋のようにたくさんできてしまう場合は、もちろん根の機能を著しく低下させます。
それと、バラに感染した根頭癌腫病菌は成長ホルモンを異常に作り出します。
この成長ホルモンにより、感染したバラはとても元気で順調に育っている風に見えます。
ただし、あくまで成長ホルモンの異常です。ある時を境に一気にバラをダメにしてしまいます。
生育の弱い品種などは、感染し発症するとすぐに大きなダメージとなることが多々あります。

瘤は細胞の癌化です。
癌腫菌が存在していなくても、癌化された細胞があれば瘤を作ります。
また、成長ホルモンの異常分泌もします。
癌化された細胞が無くなるまで油断できません。

発生要因

根頭癌腫病は非常在菌です。
発生要因はすべて感染株を持ち込んだことにより起こります。

蔓延要因

根頭癌腫病に感染した苗があれば、土壌は根頭癌腫病菌で汚染されます。
他のバラがあれば次々と感染を起こし、さらに汚染が拡大していきます。

バラの場合、台木、親木どちらかが感染していれば、その苗は感染苗になります。
生産者は見つけ次第、全廃棄して対処します。

剪定ハサミからの2次感染が多発します。
癌腫苗の存在が疑われる場合は、1株ごとに剪定ハサミを除菌して使用します。
ポットなども除菌してから使用します。

癌腫苗が植わった鉢から流れ出る水にも癌腫菌が含まれていることが多々あります。
疑いがある場合は、鉢から流れ出る水にも対処していきます。

根頭癌腫病のオーガニック対策

1.水の供給

水の供給で気をつける点は、鉢から流れ出る水です。
これが庭に流れ出ないようにし、他の鉢もこの水に触れないようにします。

2.除菌・洗浄

根頭癌腫病菌はバラ体内で増殖します。

感染が疑われる苗は体内除菌してから植え込みます。
感染・発症した苗を引き続いて育てる場合も体内除菌して菌の存在だけは無くしておきます。

癌腫病に感染した苗を剪定ハサミで切ると、癌腫菌が含まれた樹液が剪定ハサミに付着します。
そのまま他のバラを切ると、切り口に癌腫菌を塗っているのと同じです。
非常に感染しやすくなります。

まだ感染に至っていなくとも、苗の根に癌腫菌が付着していることがあります。
植え込む前はしっかり除菌・洗浄してから植え込みます。

3.土作り

癌腫菌は土壌にあるバラの根を媒体として感染していきます。
また、残留根や残留枝があればそこに感染し、潜伏します。
バイオセットを利用し、残留根や残留枝の分解を早めて潜伏する媒体を土壌から無くしていきます。

また、癌腫菌は常在菌ではありませんので媒体が無ければ自然淘汰されます。
バイオセットの使用、堆肥をしっかり混ぜて有用菌を増やすことで、癌腫菌は菌の生存競争に負けます。

感染苗が植わっていた鉢の土は廃棄します。
使い回す場合は完全除菌してから使うことになりますが、難易度は高くなります。

地植えの土はさらに厄介です。
木酢液で1度土壌を酸性化し、その後にバイオセットを投入して残留根や残留枝を分解していきます。
その後、堆肥をしっかり混ぜて媒体の存在を無くせば、バラを植え込むことができます。

4.病害虫防除

根頭癌腫病の農薬はバクテローズがあります。
ただし、このバクテローズは感染した苗には効果がありません。
また、癌腫菌が多数潜伏する土壌でも効果はあまり得られません。
効果があるのは、生産での場面のみです。
皆さんが使って効果を出せる場面はありません。

物理的防除は、とにかく感染苗の枝葉、瘤、花すべて含めて除菌してしまうことです。
癌腫菌は樹液に存在しますので、バラ体内すべてに存在します。
体内除菌など含めて、完全除菌していきます。

5.栄養管理

癌腫病の天敵は有用菌です。
ピーキャットが提供するぼかし肥料にはキトサンが含まれています。
有用菌を増やしながらキトサン効果で放線菌を増やし、癌腫菌がさらに自然淘汰されるようにしていきます。
ただ、それほど効果があるわけではありません。

6.環境整備

癌腫病対策の一番は、とにかく除菌・洗浄を習慣にしていくことです。
癌腫苗が植わった鉢からは、癌腫菌が含まれた水が流れ出てきます。
衛生管理で除菌・洗浄しておけば、癌腫菌汚染は起こりにくくなります。

癌腫病の疑いがある苗は、地植えせずに1~2年は鉢で育てることをオススメします。
安易に地植えしてしまうと、感染がわかった後が大変です。

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