「8月は水遣りばかりで、作業自体は暇」なんですが…

私はあっちこっちに呼ばれることが多くなりまして、腰を落ち着けて記事を書く時間がなかなか取れません。
今週末や来週もあっちこっちに飛び交っていますので、書けるときに書いていきますね!

さて、今回は窒素に引き続いてリン酸を解説していきます。

このリン酸、すでに施肥コントロールのところでいろいろ解説しています。
今回は、皆さんは知らないかもしれないことを中心にしてみます。

バラは水に溶けた栄養を摂取するというのはすでに皆さん承知していますよね!
もちろん、リン酸も同じです。
ところが…
このリン酸、マグネシウムやカルシウムと簡単に結合しちゃいます。
その他、日本の土壌は粘土鉱物がふんだんに含まれていて、これらとも簡単に結合してしまいます。
でね、結合しちゃうと水に溶けないんです。これをク溶性物質と呼びます。

まあ、そういうことで化成肥料がいろいろできています。
過リン酸石灰や尿素リン安、リン硝安などがあります。

ただ、これらを日本の土壌で多用すると土には次々とク溶性物質が蓄積されていきます。
もちろん、有機肥料も同じです。
次々とク溶性物質を作り出し、土壌に溜まっていきます。

「俺は土にこだわっているんだ!」

昔は、土にこだわるというのは土にいろいろ混ぜて土を良くしようという考えでしたが…
今は違っています。

「土は土の役割に徹する!」

ピーキャット流もそうですが、土にこだわる農家さんも同じことを言うと思います。
日本の土壌を壊す要因にならないように、リン酸の土壌投入はやりません。

また、栄養生長時にリン酸効果を嫌うというのが、少しずつ広まってきました。
バラはとてもそれが顕著で、頂芽優勢が強いバラは栄養生長時にリン酸が効くと頂芽優勢をさらに強くしてしまいます。

「ボリュームを出したいのに上ばかり伸びてしまって…」
「いつも最後は一本杉…株の寿命は数年でいつも終わります…」

こういう方は、栄養生長時にリン酸が効いているからです。
つる性バラを長く伸ばすために栄養生長時にリン酸を効かすというテクニックもありますが…
ハイブリッドティなどでは上の方で花が咲き、新しいシュートが出にくくなります。

よって、栄養生長時はリン酸を控え、生殖生長時にリン酸を効かすという施肥コントロールを皆さんに実践してもらっていますが…
近年これに食い付いてきたのが、農家さんです。
トマトもイチゴも好結果が出ているようで、
「有機なら施肥コントロール!」が少しずつですが広まってきました。

「リン酸を効かせることで花が良くなり、実が良くなる!」

「生殖生長時にリン酸を効かせることで花が良くなり、実が良くなる!」

「栄養生長時にリン酸を効かせないことで株が良くなり、病害虫被害が減少する!」

リン酸は「エネルギーや栄養を消費させる物質」ですよね。
でも、年中効いていれば年中同じペースで消費することになります。
人間だって運動して急激に消費することもあれば休んで消費を抑えることもあります。

「おまえはバラなんだから、ずっとめいっぱい消費していればいいんだよ!」

なんて方は、私の記事は読んでいないと思います。
エネルギーを多く消費する場合もあれば、抑えてあげることも大事!
これはリン酸が大きく関わってくるのですから…
リン酸を生長に合わせてコントロールしてあげることは、いずれこれが常識になると私は思います。

「たとえばですよ、根がダメージを受けてしまった場合は早く根を伸ばしたいからリン酸を効かせるという手もありますよね?」

はい、確かにそれは言えます。
でもそれは、風邪を引いた子供に過激な運動をさせることと同じです。

「それぐらいの風邪、走り回って汗をかいたら治るわよ!」

まあ、治る場合もあるとは思います。
でも、まずは風邪を治すために休ませてあげてからでいいんじゃないでしょうか?
それに、根を伸ばすというのはそれほどエネルギーや栄養は消費しません。
まったく不必要なことです。

皆さんは、リン酸を効かすというのは鞭打つことだというのを認識しておいてください。
鞭打つわけですから、打たれる側のことをしっかり観察して無理ないことを考えていかなければいけません。

でも、花や実を大きく成らすにはリン酸のパワーがどうしても必要です。
バラは大きな花を咲かせたいんです。
理由は、バラは生殖生長したいという意思を持っているからです。
その後押しでリン酸!と考えればいいですね!

人間も同じです。
過激な運動を休みなく続けたら死んじゃいます。必ず休ませることが必要です。
でも、まったく運動しないのも困ったモノ…
適度な運動、子供たちなら身体を鍛える運動は不可欠ですよね!

ただし!
休みの日にゴロゴロしているお父さんにリン酸をかけてもエネルギー消費はしません。
当たり前ですが…

いかがですか?
リン酸って、そんなに難しくはないでしょ?

「鞭打つ」はイメージが悪いので、「強く消費させる」と覚えていきましょう!