「カニガラに含まれるキチン質が放線菌の餌となり放線菌を増やすから、土に混ぜてもいいですか?」

という質問をいただきました。

まあ、いいんじゃないかな?私は使わないけど…

でね、こういうのって他に弊害が出ない前提で強弱を付けて考えてください。

■効果が出る
■効果が見込める
■効果があればラッキー
■効果があればいいねえ
■気休めにはなるかな?

この強弱って、皆さんが一番わからないことですよね?

でも、間違いなく商品はどれも「効果が出る」と書いてあると思います。
だってねえ、「効果があればいいねえ」なんて商品は売れないですよね。

でね、ここが肝心!

商品だけで事を為すなんてことはないから、栽培全体で考えよう!

カニガラは言われている効果があるかないかといえば…ありますよ。
ただ、効果を出せるかどうかは栽培スタイル、使い方にあります。

まず、放線菌を増やすということでは、放線菌の餌ですから増殖はさせる可能性は高いですよね。
でもね、餌を与えただけで放線菌が増えて、その放線菌が効果を出すかどうかは…

それと、どういう環境や条件で効果が出るのか出ないのか…
広大な畑と狭い花壇、鉢植えではそもそも条件が違いすぎます。

その前に!

有機土壌だと土壌の菌の80%以上は放線菌が占めています。
これに対して、この放線菌をどう維持していくのか?というのが有機栽培では必要になってきます。

増やすってどういうこと?

有機土壌の放線菌率は80%を超えていますが、これを90%にすることなのか?
もしかして、150%にすることなのか?
それとも、リバイバルと同じ考えで、80%超えを維持するためのものなのか?

こう考えたときに、90%にすれば良いことあるの?150%ならどうなるの?

さて、どうですかねえ?
悪いことが起きる可能性のほうが高くなりますよね。微生物バランスは崩れるわけです。

それと、カニガラはリバイバルのように微生物バランス維持できるのかというと…
まあ、そういうものではないです。

現場の理論で考えると、カニガラは「効果があればいいねえ」という位置づけかな?
これは私の考えですよ。
有機土壌の微生物バランスが壊れたとき、それは放線菌の減少であった…
そういうときはカニ殻だけで回復できるかもしれません。

ただね、広大な畑の有機土壌維持であれば「効果は見込める」と考えます。
広大な畑はムラが起こりやすいので、そのつなぎみたいな役割としては大きいかな?
一方、ムラが出にくい花壇や鉢植えだと、ほとんど意味は無いとも言えます。

それともうひとつ!
化成肥料中心で微生物に乏しい土壌であれば、カニガラ効果はあります。
というのは、化成中心だと有機土壌ではないので放線菌は80%どころか10%に満たない場合もあります。
こういう土壌であれば、放線菌の餌であるキチン質を与えることで増殖は見込めます。
ただ、有機土壌のような放線菌率80%は見込めませんよ。増えて30~40%ぐらいかな?

有機肥料+堆肥の場合は、放線菌率は80%でなければいけません。
どれだけ放線菌を増やすのか?という考えは、これは有機栽培ではありません。
それはそうですよね、有機土壌は放線菌率80%なんですから!
だから、餌で増やすのではなくバランス維持!

化成と有機では、こういうことも違ってくるわけですね!

あとね、使い方、何を狙うかでも変わってきます。
これはカニガラに限ったわけではなく、ピーキャット資材も同じです。

たとえば、バイオセット!

癌腫感染もなく、ネコブセンチュウも出ず、有機土壌もしっかりしているなら、バイオセット投入は気休めです。
入れていたら安心みたいな感じですね。
こうなると、「効果があればいいねえ」となります。

でも、癌腫感染の可能性がある場合、ネコブセンチュウが出る可能性がある場合、有機土壌が壊れた場合…
「効果が見込める」ということになります。

まあ、微生物資材ですし有機ですから、「効果が出る!」とは言えません。
まして、栽培は色々な要因で変わってきますからね。

カニ殻の場合は、上記でいろいろお話ししたことを加味して、使うか使わないかを考えていただければと思います。

いかがですか?

ここで皆さんに理解していただきたいことがあります。
昔から色々なことわざがあるとあると思いますが…

どう活かすか、何を狙うか、何にどう使うか

ここが現場ではとても大事なことなんですが…

栽培は商品神話で満ちあふれています。

これを使えばなんでもできる!

そんなモノは絶対にありません!
まあ、魔法使いのいる店ならそういうのは売っているかもしれませんが…
それがほしい人は魔法使いをまずは探してくださいね。

効果というのは狙う場合もあれば、効果があればいいねえと使う場合もあります。

なぜなら!

生き物に対してだからです。

99%の無駄が1%の窮地を救う!

生き物を育てる上では、こういうこともあります。
こういうのは、私なんかに言われなくても皆さんよくご存じだと思いますよ。

商品レベルで効果や効率ばっかり追いかけるから、心を無くし、愛情を無くし、いろいろ壊していきます。

皆さんは栽培を全体で見通していける、そういうガーデナーを目指してくださいね。