バラの耐病性となると、これは品種の話になるわけですが…

その前に…
「品種改良が進むと耐病性は弱くなるは本当か?」
という話をしてみようと思います。

これ、セミナーでやろうと思っていたんですが…
バラのあれこれ話にいいかな?ということで、ここで簡単に書いてみますね。

耐病性ということでは、バラが持つ病原菌に対する免疫力や抵抗性となるわけですが…
まあ、これはバラバラですね。それぞれ個性があります。
これについては、いずれセミナーで詳しく話します。

そして…
こういうテストを7年ほど前にやっていました。
7年前ですので古いですが、参考程度までにどうぞ!

わかりやすく、バラを4つに分けます。

原種、オールドローズ、フロリバンダ、ハイブリッドティー

これらにカルシウムがしっかり摂取できていることを確認した上で、土と施肥をコントロールしてみます。
4つのどれかに合わせた場合、それぞれどうなるか?

ハイブリッドティーに合わせた場合

原種は、生育不良もしくは強く病気が出ました。
オールドローズは、生育不良気味でも育ちますが、病気は強く出ました。
フロリバンダは、元気に育ちますが、病気はそこそこ出ました。
ハイブリッドティーは、元気に育ちますし、病気もそこそこ出ました。

フロリバンダに合わせた場合

原種は、生育不良もしくは強く病気が出ました。
オールドローズは、元気に育ちますが、病気はそこそこ出ました。
フロリバンダは、元気に育ちますし、病気も軽かったです。
ハイブリッドティーは、元気に育ちますし、病気もそこそこ出ました。

オールドローズに合わせた場合

原種は、元気に育ちますが、軽く病気が出ました。
オールドローズは、元気に育ちますし、病気も出ませんでした。
フロリバンダは、元気に育ちますが、病気は軽く出ました。
ハイブリッドティーは、生育不良気味ですが、病気は軽かったです。

原種に合わせた場合

原種は、元気に育ち、病気は皆無でした。
オールドローズは、生育不良気味でもありましたが、病気は皆無です。
フロリバンダは、生育不良で、病気もそこそこ出ました。
ハイブリッドティーは、生育不良で、病気以前の問題でした。

ここで確認できることは…

肥料を効かせれば、原種すら病気にまみれになります。
特にうどんこ病とサビ病、すす病にやられます。

ハイブリッドティーやフロリバンダは、栄養不足だと活性が下がり黒点病にやられます。
ただ、うどんこ病などは出ません。

傾向としては、
栄養不足の場合は、活性が下がって黒点病は出るものの他の病気は出にくくなります。
栄養過多の場合は、うどんこ病を中心に強く出ます。フロリバンダやオールドローズはオールラウンドで出ます。

7年前のテストですので少し低レベルではありますが…
こういうのは、随分前からわかっていることです。

品種の特性は合っているのか?

栄養状態で耐病性は大きく変わってきます。
さて、品種の耐病性は本当に合っているのでしょうか?

何を基準に、土を合わせ施肥をしたか?

この条件が無ければ、耐病性は語れないのではないかな?
実際、うどんこ病に弱いとされていた品種を、芽だし肥をおさえて解決したなんてのはよくあります。

生産者が気づかない理由…

「ウチは、どうしてかオールドローズが下手なんだよなあ…」
と、私に言っていた生産者がいましたが…
それ、肥料過多だからです。

ただ、バラ苗の生産というのは幼苗なので勢いがあって気づかないことが多いですね。
何をやっても勢いだけでどうとでもなるので、十把一絡げでもなんとかなります。

ですが、2年越えると明確に出てきます。
生産者が3年物の鉢バラを売り物にできないのは、ここにあります。

品種改良が進むと耐病性が劣るのか?

「どうなんでしょう?」というのが私の考えです。
それって、品種としての出来とか特性じゃないのかな?

ただ、品種改良が進むと「良い花」、「豪華な花」、「たくさんの花」を求めていきます。
果物なら、「より甘く」、「より大きく」、「よりたくさん」ですよね。

これで、花や実のカロリーが一気に上がるわけです。
より消費が激しくなり、より栄養が必要になり、活性維持も難しくなります。

ただ、今はけっこう行き着いちゃったので…
これ以上のカロリーが上がるのか?と考えると、そうでもないんじゃないかな?

活性維持と耐病性の関係

バラが活性を落とすと病気に感染しやすいですよね。
これ、人間でも同じです。

病気にかかりやすい品種→活性を落としやすい品種

というのもあります。
もちろん、活性が高いのに病気にかかりやすい品種もありますが…

活性を落としやすい品種は、活性を維持することでとても病気に強くなります。
そういう品種解説は見たことありますか?

この辺で…

今回はこれぐらいにしておきますね。

バラの品種には個性があり、その個性に合わせてあげるのがガーデナーの役割です。
頭ごなしに病気に強いとか弱いとか…決めつけるものではありません。

バラが悪いのか、それとも人間が悪いのか

新しい品種が次々と出てくる一方で、可哀想にウケなかった品種は消えていく…
これがわんこやにゃんこなら…残酷ですねえ…