農薬は本当に安全なのか、それとも危険なのか?

これは賛否分かれることではあります。

(1)花粉媒介者(ミツバチなど)の世界的減少
(2)アトピーやアレルギーの原因
(3)環境破壊、絶滅種の激増
(4)幼児の脳発達障害

などなど、世界レベルで研究され、これも賛否いろいろあるようです。

家族で子供や孫がおられる方は気が気ではないと思います。
でも、地球温暖化ですら「北極の氷は減っていない!」なんて言っている評論家がいます。
福島原発事故の時は「原子炉は絶対に爆発しない!」なんて言い切った学者もいました。
何を信じて良いのかさっぱりわからないというのが現状ではあります。

これは学者に任せておいて、私は現場の人間なので現場で知っている農薬の安全性について語ってみます。

私は農薬は安全だと思っています。
実際、私は農薬否定派ではありません。農薬をお役御免にできるほど、まだ栽培技術は進んでいないのが現状です。

ただし、「農薬は安全です」は言葉足らずです。

「農薬は、適正な場所で適正使用すれば安全である!」

環境保全やミツバチたちのことは抜きにして、人間に対しては安全だと思います。

そして、私は「農薬は危険だ!」とも考えています。

「農薬が適正な場所で適正に使用されていないから危険だ!」

これが現状の大きな問題です。
実際、あらゆる現場で目を覆いたくなるような使用がされています。
500倍希釈して使用する農薬を20倍希釈で使用していた場面にも遭遇しました。

それは極端な例ですが、まずは当然と思えるところから見ていきましょう。
まず、適正な場所を考えてください。

住宅地が適正な場所でしょうか?

農業者が完全防備して散布しているのが農薬です。
安全なものであれば、農業者はあえて過酷な完全防備などするでしょうか?
もちろん、危険だから完全防備しています。
夏の完全防備はかなり過酷ですが、自身の身を守るためにやっているのです。
そして、撒布している現場には誰も立ち入ることはさせません。

次に適正使用についてです。

これは、正直もの凄く乱れています。
農業者もガーデナーも、農薬使用している方々は適正使用などできていません。
適正使用している方は、かなり少数派になっています。

では、ガーデナーの皆さんは適正使用できるのか?

まず、適正使用を教えているところはどこもありません。
理由は、バラ栽培のような長期間育てる栽培は農薬の適正使用がかなり難しいからです。

不正利用についての話は、ここでは控えておきます。
理由は、不正利用しているのは現場が悪いわけではないからです。
農薬の管理そのものが悪いので、不正利用せざるを得ないというのが現場の実情だからです。
安心・安全に不正使用するなんてのは、悲しい現実でもあります。