実は根腐れは起こってない!?

バラのガーデナーの多くが、根が無いと根腐れだと思っちゃう…
販売の罠に引っかかっているのか、それとも何かの本に書いてあるのか…

バラが根腐れするときって、バラ体内に嫌気性微生物の腐食菌がものすごく増殖しています。
ちなみに、バラの根にはたくさんの菌が共生しています。放線菌や糸状菌(菌根菌など)などの好気性微生物が根の中にも存在するんですね。

でね、栽培技術だから根腐れしていると言われているバラの根にどういう菌が存在しているか見るわけです。
そうしたら…
根を腐食させる嫌気性の腐食菌は居ません(*^▽^*)

ということは?

そうです、根腐れなど起こってはいません。
なのに、どうして根腐れが起こっていると思ってしまうのでしょうか?
これを解明しますね!

何をやらかしているのか…?

確かに、根腐れが起きたとされる根は腐食されています。
しかし、嫌気性微生物の腐食菌は発見されない…それどころか好気性微生物の放線菌がわんさか居ます。

ということは?

そうです。
根を腐食させたのは好気性微生物の腐食菌(放線菌)です。
これはとてもおかしな現象…バラは好気性土壌で育ちますので、バラの根が生きているのに好気性微生物に腐食されることはありません。
でも、根が死んでいたら分解対象になるので好気性微生物によって分解(腐食)されます。

ということは?

そうです。
根が死んでしまうという現象が起きているので好気性微生物によって腐食されてしまっているわけです。
では、その根を殺してしまったのは誰?害虫?モグラ?それとも、人間?
害虫であれば食害になります。モグラはけっこう通っただけで根を切っちゃいます。ここに疑惑が行きますが…
害虫が見当たらない…鉢だからモグラは関係ない…
もしかして、病原菌?でも、それに当たる病原菌は考えにくい…
まさか、人間が何かをやらかしていることはないだろうか?

ということは?

そうです。
人間も何かをやらかしてしまっていたわけです。
それが「根焼け」です。
バラの根の細胞が何かによって壊され、この壊された細胞が好気性微生物の分解対象となり腐食され、あたかも根腐れしたように見えた。
だから、根の中には好気性微生物しか居ないのに、症状は根腐れのようになっている。
こういう仮説を立ててみました。そして、検証してみると…

明らかに根焼けが起こっていました。

ピーネコ驚

にゃんとまぁ!

詳しくは話しませんが、暑い日など急激に土の水分が奪われると土中の肥料濃度が一気に上がります。
その濃度は…根焼けをカンタンに起こしてしまう濃度です。
でも、その根焼けがすべての根で起こるとは限らず、一部だけ根焼けして気付かないなど頻繁に起こっています。
全体の根が根焼けすると症状として出てきます。

もう少し難しく話をすると…
バラの根が水分を摂取する際、それは根の細胞の浸透圧で細胞内に水を引きこむカタチで水を摂取していきます。
ところが、土中の栄養濃度が高まると塩基濃度も上がり、細胞内に水が流れ込みにくくなりバラは水を摂取しにくくなります。
それがさらに過度になると、バラの根の細胞内の水が土に奪われる逆流現象が起きてしまい、根の細胞は壊れてしまいます。
これを「根焼け」と言います。
別に肥料で根が焼けるわけではありません。細胞が壊されて腐食されて黒くなることで焼けているように見えるということです。

つまり…
「根腐れ」だと思っていたのは、実は「根焼け」だったという…

そういうオチなのです(*^▽^*)

次に根腐れのウソを書きますね!

根腐れは土が悪いと起こります

根腐れ、根腐れという店は、よほど悪質な培養土を売っている!

あのですね、ごく当たり前に考えてみてください。
日本は雨が続く梅雨があります。長雨だと根腐れが起こりますか?

そういうことです。
根腐れというのは、土が悪いか鉢が悪いか…それでしか起こりません。
自然でも、台風で水が溜まって浸かってしまったとか、そうでなければ根腐れなど起こりません。

雨というのは酸素を含んだ好気性の水です。水遣りの水もハス口を通すので酸素を含んだ好気性の水です。
いくら与えても嫌気性微生物は存在しないので根腐れは起こりません

ただ…
水が溜まってしまうような土や鉢だと、その溜まっている水の中の酸素が抜けるので嫌気性の水になります。
これにより嫌気性微生物が増殖され、根腐れを起こします。

良い土、良い鉢で栽培しましょうね!(*^▽^*)