では、バラと無農薬について考えてみましょう。

ピーキャットは、不可能とされていたバラ苗生産の無農薬化をすでに実現しています。
ハッキリ言って、ラクラクできています。
無農薬化を達成する前は大変でしたが、栽培技術が確立できてからは苦労することなどまったくありません。
農薬を使用していた頃より、圧倒的にバラ栽培がカンタンにラクになっています。
ですから、美談にはなりません…

ピーキャットの会員様、ガーデナーの方々も同じです。
バラ栽培をとても難しく感じていたのに、ここまでカンタンでラクだとは思ってもみなかったというご感想をたくさんいただいています。

なのに、どうして今まではバラ栽培が難しいとか、無農薬では無理と言われてきたのでしょうか?

その大きな要因の一つが、日本の園芸はマニアックな世界であったということです。
気軽に楽しむ欧米型のガーデニングとは違い、日本の園芸スタイルはマニアックです。
これが、カンタンなことを難しくさせてしまっていた大きな要因になります。
敷居を高くしてしまっていたということですね。

ただ、これはこれで園芸の価値だとは思います。
しかし、今はガーデニングが主流です。カンタンにラクに、そして安全におこなうべきがバラ栽培です。

ただ、バラを育てるのはカンタンかというと…絶対にカンタンであるとは言い切れません。

バラ栽培の難しさは、以下のようになります。

(1)栽培サイクルが長く(3月~12月)、何年も何十年も育て続ける
(2)収穫期(花が咲く時期)が年に複数回ある
(3)品種改良により、自生力がきわめて弱い
(4)様々な病害虫が発生しやすい
(5)育てる環境や条件が悪い

とても育てるのが難しいと感じてしまいますが…
実はそうではありません。バラという植物はとても強く、環境にも合わせやすい植物です。

なのに、どうして難しいと感じてしまうのか?

それは、人間がバラに合わそうとしなかったからです!

・短期収穫物の野菜などと同じ感覚で育てれば、バラは栽培サイクルが長いので難しく感じる。
・収穫が終えると苗がお役御免なる農業的感覚でバラを育てれば、バラの苗の寿命も短くなる。
・農薬に頼れば、栽培サイクルが長いので農薬は使用回数制限を簡単に超えてしまう。
・密に植えすぎたり、土作りせずに植えるので、バラの環境や条件は悪くなる。

バラはどうしても品種がメインとなり、バラの特性を無視されがちです。
この結果、バラを育てるのが難しいとなってしまっていたわけです。

現在でも、バラ栽培の難しさは病害虫被害に遭いやすいとされてしまっています。

これは本当にそうなのか?

確かにそうではあります。しかし、バラの特性を知った上での判断なのかどうかは別です。
つまり、人間がバラに合わせていけば、その判断基準が変わってしまうことになります。

「今までうどんこ病が出ると止まらなかったのに、まったく出なくなった!」

「黒点で丸坊主が毎年だったのに、本当は黒点病に強かったんだ!」

「そういえば、近頃はハダニを全然見てないな…」

バラに合わせただけで、こういうことが頻繁に起こることになります。
そもそも、バラが健全であれば病害虫への抵抗力も高くなります。
その度合いは品種ごとで違っていて、病気に弱いとされていた品種が健全さを取り戻しただけで病気に強くなったというのは当たり前に起こっています。

一方、バラに合わせられなかったら、強健品種すら病原菌の餌食になります。
台木というトゲナシノイバラや原種のナニワイバラすら、病原菌の蔓延でダメになることは起こります。

ピーキャット流バラ栽培は、バラに人間が合わせていくという考え方をします。

もちろん、これは当たり前です。
原種のバラとハイブリッドティが同じで良いわけがありませんよね。

現在のバラの育種は病害虫に強いというのが大きなテーマになっていますが…
それは良いことだとは思います。
しかし、バラは芸術性も兼ね備えた生き物です。

人間がバラに合わせていく!

これで無農薬化を考えれば、バラはそもそも強い植物です。環境にも順応しやすい植物です。
無農薬化はとてもカンタンになります。

また、品種に頼らなくても、無農薬化は実現できています。
ピーキャット農場のバラも、会員様のバラも、別に育てやすい品種だけ育てているわけではありません。
とても育てるのが難しいとされている品種も、無農薬で普通に育っています。

無農薬に向いているバラ、農薬を使わないと育たないバラというのはありません。
農薬を使うかどうかというのは人間の問題であり、それをバラに責任転嫁させてはいけません。