常備野菜として欠かせないジャガイモは、春栽培と秋栽培がありますが、初心者の方には育てやすい春栽培がおすすめです。
ナス科の野菜で、原産地はアンデス高地…乾燥を好み、極端な暑さ、寒さは苦手です。
畑で栽培する場合は、雨以外の水分は必要なく、鉢栽培の場合も少し乾き気味に育てた方がうまく育ちます。
酸性の土壌(pH5・5~6)を好むので、石灰やもみ殻くん炭などは混ぜないようにします。pHが高い(7以上)とそうか病などが出やすくなります。
品種
ジャガイモは多くの品種が出ているので、数種類の品種を育てたり、スーパーではあまり見かけない品種を育ててみるのも面白いですよ♪
ホクホク系の粉質タイプ…キタアカリ、男爵、アンデスレッド、ベニアカリ、トヨシロ
荷崩れしにくい粘質タイプ…メークイン、とうや、レッドムーン
中間タイプ…インカのめざめ、シンシア、十勝こがね、北海こがね
他にも、紫色のシャドークィーン、まだら模様のデストロイヤーなどたくさんの種イモが販売されています。
種イモの入手
種イモは12月下旬ごろから販売されますが、あまり早く購入すると、保存している間にカビが生えたり、ヒョロヒョロと芽が伸びてしまったりと、意外と管理が難しいので、植え付け1か月前ぐらいに購入して、芽出し(浴光育芽)しながら植え付けまで管理するのがおすすめです。
ただし、人気の品種は売り切れになる場合もあるので、早めに購入する場合は、ビニール袋から出し、芋同士がぶつからないようにして、5,6℃ぐらいの涼しい場所で保管します。
普通に食用として販売されているものでも育てることはできますが、ウィルス病を防ぐためにも、種イモ用として販売されているものを使いましょう!
芽出し(浴光育芽)
植え付けの2,3週間前ぐらいから日光に当てて、芽出しをします。必ずしなければいけない作業ではありませんが、発芽がそろって、育てやすくなります。
植え付け
植え付け時期は3月上旬から4月中旬ごろ
地温が低い場合は、早めにマルチなどで地温を上げておくと、失敗が少なくなります。
小さいものはそのままで、大きいものは1個40g前後の大きさに切り分けます。どの芋にも芽が残るようにしながら、縦に切り分けます。
切り分けたら、1,2日ほど日に当てて、切り口を乾燥させます。
(草木灰などを切り口に使うと、腐敗を防ぐ効果がありますが、よく乾燥させておけば、無理に使う必要はありません。)
株間30センチぐらい、10センチぐらいの深さに植え付けます。
(土が芋の上、5センチぐらいかぶるぐらいの深さ)
あまり深植えすると芽が出る前に、種イモが腐ることがあります。
収穫までの作業
芽が多すぎると栄養が分散されてしまい、大きな芋になりにくくなるので、芽が10センチぐらいに伸びたころに、芽かきをします。
1つの種イモにつき2,3本ぐらい残します。強く引っ張ると、種イモごと抜けてしまうので、他の茎を抑えて、横に引っ張るように引き抜きます。
芽かきをしたら、1回目の土寄せと追肥をします。
追肥は、ぼかし肥料を少量株元の土に混ぜます。
(マルチを使っている場合は土寄せは必要ありません)
草丈が30センチぐらいになったころ、2回目の土寄せと追肥をします。
6月中旬ごろが収穫時期です。葉っぱが枯れてきたら、収穫します。
病気
そうか病
芋の表面にかさぶたの様な病斑が出ます。皮を剥けば食べることはできますが、見た目がよくありません。
疫病
葉に茶色や黒い病斑ができ、ひどくなると枯れます。梅雨時期から発生しやすいので、ピキャッシュで予防します。
ワンポイントアドバイス
ジャガイモは根ではなく、茎が肥大化したものなので、種イモよりも上に芋ができます。そのため、地表に出やすくなりますが、日光に当たると、緑化してソラニンという毒素のある物質が作られてしまいます。
そのために土寄せを行いますが、黒マルチなどを使うと、土寄せの手間を省くことができます。
また、切り口を上にして植える逆さ植えにすると、種イモの下に芋ができるので、地表に出てしまうのを防ぐ効果があるようです。
※逆さ植えは出る芽も少なくなるので、芽かきも必要なくなるメリットがあるようですが、芽がなかなかでないうちに種イモが腐る場合もあるようです。
相性の良い植物、野菜
マリーゴールド、ナスタチウム、ネギ類、枝豆(ネギと豆類は相性が悪いです)
一緒に育てると、生育が良くなったり、病害虫が出にくくなります。
相性の悪い野菜
キャベツ、ショウガ、エンドウ
生育が悪くなるようなので、近くでは育てないようにします。