私は訪問サービスの依頼を受けることがプロアマ問わずあります。
別に何かの作業を求められているわけではなく、大半が作物やバラが上手く育たない、病害虫が何ともならないからなんとかして欲しいという相談です。

そのときにまず私がやることは…

グーグルマップで現地の半径10kmに何があるか調べます
そして、
到着すると、まもなく近隣を散策します

お金をもらっているのに呑気に散歩というわけではもちろんなく…
病害虫や草の種は風に乗って飛んでくるので、近辺の環境やそれによる影響がわからないとなにもわからないってことです。

(1)病原菌は糸状菌なので、風上から胞子がバンバン飛んできます。
(2)ハダニやアブラ虫やスリップスなどの小さい害虫は風上から風に乗って飛んできます。
(3)マメコガネや産卵のためにやってくる羽根のある害虫はバラの風下から飛んできます。
(4)もちろん、気温や湿度にも関わってきます。

病害虫は本当は風に乗って数十㎞先からでも飛んできますが、まあ10km圏内と考えます。これをグーグルマップで大まかに把握しておきます。
散策するのは2km程度かな?疲れるし(*^▽^*)大きく影響を受けるのは2km圏内ということで、散策しながらいろいろ探っていきます。
風下は5km圏内と考えますが、害虫の飛来だけなのでその被害が無ければ散策はやりません。

この風上とか風下というのは、基本は風上が南東、風下は北西です。
スマホに方位計のアプリがありますので、これをダウンロードして使いましょう。

次に、現地の風方向をしっかり見続けておきましょう。
これはスマホのお天気アプリで見れるものがたくさんあります。お住まいの地域はどちらから風が吹きやすいのか?
病害虫が発生しやすい時期、5~7月、9~11月の風向きを把握しておきましょう。

風上、風下が理解できても、地形的に変わることが多々あります。
都会ならビルやマンションなどの高い建物、田舎なら山とか谷で風向きが変わりますので、これはグーグルマップや散策で確認します。

環境整備の第一歩は、風上、風下を知ること!

ちなみに、ピーキャット白井農場は強烈な南東の風が東京湾方面から吹きさらし、北西は山なので風が弱く…
まわりは田んぼや梨園なので病原菌と小さい害虫が恐ろしいほど風に乗って飛んできますが、北西からの風はとても弱いので甲殻虫の飛来は少なかったですね。

ピーキャット鉾田農場は逆で、北西の風がとても強い!
南東には病原菌や小さい害虫を出している畑も少なくそれほど飛んではきませんが、北西からの甲殻虫の飛来が白井農場の時よりは多いですね。
ただ、風が回りやすいのでまんべんなく病害虫が出やすくなっています。それと、南東の風が弱まり湿気が溜まってサビ病が出やすい傾向にあります。

まあ、カンタンにはこういう感じです(*^▽^*)

火の無いところに煙は立たない!

貴方が病害虫に困ってどうにもならない場合は、その大半が次々と風に乗って飛んできているのが原因です。
バラに付いた害虫を殺したって病気の跡を殺菌したって、害虫も病原菌の胞子も次々と飛んできます。風上や風下の状況次第では恐ろしいほど飛んできます。

これ、農薬に頼った栽培であれば農薬成分の毒性の残効性で飛んでくる病原菌の胞子も害虫も殺すことはできます。
ですが、ピーキャット流有機栽培は毒性の残効性をゼロにすることで高い安全性を示しています。よって、次々と飛んでくることを理解しておく必要があります。

火の無いところに煙は立たないので、風上にどういう病原菌や害虫の存在があるのか?風下にはどういう羽根のある害虫が存在するのか?
こういうのは楽しみながら、楽しく散策しながらやってみてくださいね。

間違えても、これはやってはいけませんのであらかじめ…

「○○のせいで私のところに病害虫が飛んでくる!」

これは絶対に○○の人には言わないようにしてくださいね。
というのも、実際に○○が原因でバラのガーデニングがどうにもならない、農業でもそういうことはよくあるんです。
実際、ピーキャット白井農場のまわりは梨園ばかりなので、梨園で農薬散布されたら害虫が一気にピーキャット農場に押し寄せていました(*^▽^*)
でも、梨園が悪いわけではないのでそれは仕方の無いことです。でも、「おまえらが無農薬なんてやってるからウチに害虫がわんさか飛んでくる!」と難癖を付けてきた梨園のじいさんには怒鳴り込みましたけど(*^▽^*)
実際、害虫が飛来して迷惑を受けているのは無農薬側なんですけどね…
現場では無農薬側は何も言わないのに、農薬側が因縁を付けてくる…とても残念なことです。

無農薬栽培だと病害虫の飛来をしっかり意識してください。
特に害虫は身の危険のある農薬散布している場所から身の危険を感じない無農薬の場所に逃げ込んできます。子孫繁栄のために安全な無農薬の場所に産卵場所を求めてきます。
私たち人間も害虫たちも、子供のために安全な場所を選ぶんです。

さあ、今日からご近所の散策とスマホのアプリダウンロード、頑張っていきましょう!