皆さんがもっとも知りたいであろう黒点病対策を4つのパターンを使って解説します。
ただし、これは病害虫防除の話なので病害虫対策の一部ということになります。
黒点病対策は病害虫防除、施肥コントロール、ガーデン対策などなど、すべてでおこないます。お間違えなく!

黒点病は出るところでは出るけど、出ないところではまったく出ない…
環境・条件・品種が大きく関わる病気です。
黒点病菌は糸状菌で、感染経路は葉っぱの気孔からの菌糸の進入となります。

存在

黒点病菌は有機土壌での常在菌です。ですから、土壌ではずっと存在しています。
また、胞子は風で飛んできます。
つまり、黒点病菌はずっと存在していますし、常在菌ですのでこれを無くすことは無理です。

”存在”に対する無農薬栽培での処置

これに対する無農薬栽培での処置は、黒点病が出る庭やベランダでは「葉裏に飛びつく胞子を予め減らしておく」ことをしておきます。
まずはマルチング、マルチング材のピキャットクリアによる除菌、広範囲に散らばる胞子をできるかぎりピキャットクリアで壊しておきます。
もちろん、黒点病菌は常在菌ですからこれで黒点病の存在が無くなるわけではありません。
少しでも感染機会を減らすために胞子を減らしておくだけです。

感染

黒点病菌の胞子が葉っぱの裏に付着し、これが発芽して菌糸を伸ばし、葉っぱの気孔から菌糸が進入して細胞に感染させます。
そして、菌糸をさらに伸ばし続け、次々と細胞に感染していきます。
この胞子が発芽する条件は気温や湿度が大きく関わります。また、葉っぱの気孔から侵入するので、葉っぱの蒸散や気孔の開閉が大きく関わってきます。
古い葉っぱが感染しやすいのは、葉っぱの蒸散や気孔の開閉が弱いからです。

”感染”に対する無農薬栽培での処置

これに対する無農薬栽培での処置に必要なのは、「黒点病が出る時期がわかっているか?」ということです。
黒点病が出る気温、湿度がわかっているのなら、そのときだけ感染予防対策をしっかりやっていけば良いですよね!
ピキャットクリアでマルチング材、広範囲に散らばる胞子や葉裏に付いた胞子、伸ばそうとしている菌糸も含めてしっかり除菌しちゃいましょう!

発症

黒点病の発症がわかるのが葉っぱに出る黒い点ですよね。
実は感染したら黒い点が必ず出るわけではないんですが、この黒い点が目安になります。
発症した葉っぱにはすでに菌糸が入り込み、胞子も作られています。この葉っぱはもう治りません。

”発症”に対する無農薬栽培での処置

ピキャットクリアをしっかり散布し、黒い点が出た葉っぱは次への感染を防ぐために取って捨ててしまいます。

被害

黒点病が下葉の古い葉っぱに出ても、それは被害ではありません。
バラは古い葉っぱを落葉させたいので、わざとジャスモン酸やサリチル酸の生成を弱め、気孔を開きっぱなしにして黒点菌の菌糸の進入を歓迎し、黒点病にあえて感染しようとします。
バラがそうしたいので、これは被害ではなく生理現象としましょう。

また、成育不良の場合、花後で肥料過多の場合は、黒点病に感染しやすくなります。
被害ではなく、育て方を改善していきましょう。

黒点病によりバラの生育に被害が出た場合、バラの開花は見切りを付け、バラのケアを優先します。

ただし、ポールズヒマラヤンムスクやグラハムトーマスなど、黒点病が蔓延しても平気で生育する品種もあります。
その場合はバラの様子を見ながら行いますが、黒点病を放置するとそのバラから次々と胞子を飛ばして他のバラに感染させます。
基本はケア優先となります。

”被害”に対する無農薬栽培での処置

黒点病による被害が出た場合のケアは「葉っぱをすべて入れ替える」ということです。
丸坊主になってもかまわないので感染した葉っぱはすべて取り、新たに芽吹きができる状態にしてあげます。
もちろん、ピキャットクリアによる徹底除菌もおこなって胞子を壊していってください。
次の感染機会を減らしておきます。

カンタンにこんな感じで!

黒点病防除の基本的なのはこんな感じです(*^▽^*)
他にもやれることはいっぱいあるので、まずは4つのパターンとしてこんな感じだと理解してくださいね。