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それでは、「環境整備って実際にどういうものか?」というのを皆さんが理解できるような解説をしていきたいと思います。

植物の病害虫対策は人間の衛生管理と同じようなモノだとこのサイトで書いてますよね。
植物の病原菌は糸状菌でカビ菌だとも書いてますよね。
読んでない人はちゃんと読んでから先に進んでくださいよ!私の話はすべてマトリックスのように繋がってますから(*^▽^*)

「お風呂場」を例に環境整備を解説!

環境整備を知る一番てっ取り早い例えはお風呂場です。
風呂場に生える黒カビは糸状菌、植物の病気はうどんこ病や黒点病、ベト病など大半がこの糸状菌によるモノです。
だから、風呂場の衛生管理である黒カビ対策から植物の病気の環境整備を習っていきましょう。

昔は風呂場には黒カビがいっぱい出ましたよね!
今は大半がユニットバスで換気機能が優秀、洗濯物が干せるという乾燥機付きも増えていますし、エアコンまで付いている?これだと風呂場の黒カビと言ってもピンとこない人もいるかもしれませんが…
世の中、便利になればなるほどモノの原理が見えなくなるものです。

風呂場の黒カビを生やす方法は、掃除をせず、換気せず、お湯を残したままで風呂場を過湿にしておけばいっぱい生えてきます。
黒カビの胞子は空気中のどこにでも存在していて、風呂場の温度と湿度が黒カビの胞子が発芽する条件に合うと発芽し菌糸を伸ばしていきます。菌糸を伸ばすとさらに胞子を作りまた胞子を空中に飛ばし発芽し…
風呂場は瞬く間に黒カビだらけになります。

では、この黒カビの好条件とは何でしょうか?

黒カビが増える好条件

■風呂場という暖かさと高い密封性がある
■お湯を残したままなので過湿がずっと続く
■掃除しないことで有機物が付着して黒カビの餌となる

これにより、風呂場を黒カビだらけにすることができます。
ですが、黒カビは身体に悪いし、衛生的に良くないですよね。ならば、どうしますか?

この黒カビ対策には大きく分けて3つあります。

黒カビへの対策

(1)カビ取り洗剤やお風呂用洗剤で徹底的にカビを殺菌する
(2)掃除したり換気をしたり乾燥させたりする
(3)黒カビを発生させない機能を持つ風呂場にする

お金持ちの人は(3)でよろしいかと思います(*^▽^*)近年のユニットバスって衛生的にもすごい高機能ですよねえ!
私はお金持ちではないので(2)で黒カビを出さないようにして、もし出てしまったら(1)をします。ちなみに、(1)はピキャットクリアを使っています(宣伝(*^▽^*))

栽培での状況に落とし込んでみよう

でね、これを栽培で表現すると

(1)カビ取り洗剤やお風呂用洗剤で殺菌する

病害虫防除

(2)掃除したり換気をしたり乾燥させたりする

環境整備

(3)黒カビを発生させない機能を持つ風呂場にする

設備投資

こうなります。

(3)設備投資は農業ではやりますがバラのガーデニングではあるわけもなく、これは除きますね。
そうなると、バラの病気対策は(1)病害虫防除、(2)環境整備でおこなうことになります。

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もう気付きましたよね

「農薬ありきの栽培」、「病害虫防除ありきの栽培」という農薬的思考は(1)病害虫防除のみをおこないます。
風呂場で黒カビが出たらカビ取り洗剤やお風呂用洗剤で殺菌しまくり?もしくは重曹とか?
とにかく、黒カビが無くなるまで徹底的にやるタイプの人ですね!

私は黒カビを落とすのが面倒なので風呂場はいつもこうやっています。

黒カビへの対策(うりゃねこバージョン)

■風呂に上がれば湯は残さず、換気扇も回しておく
■昼間は窓を空け換気していく
■簡単にだけど掃除はしておく(湯船はこまめに洗う)
■黒カビが出たなら早めにピキャットクリアをシュッシュしておく

まあ、これでも黒カビは出ますが気になるかならないか…大掃除の時以外は張り切って黒カビ落としをすることは無いです。

これね…皆さんも私と同じでしょ?(*^▽^*)

黒カビが出るのはわかっていて、黒カビだらけになってからカビ取り洗剤やお風呂用洗剤で殺菌しまくるよりも…
普段から黒カビが出ないようにと神経質にカビ取り洗剤やお風呂用洗剤で殺菌しまくるよりも…

こまめな換気とカンタンな掃除の方がラクじゃない(*^▽^*)
というのを、これを私が皆さんに解説するまでもなく皆さんの方が普段からされていることですよね。
考え方はカンタンでしょ?

なんとなく分かっていただけましたか?

環境整備ってどういうものか、分かっていただけましたか?

ただ、風呂場は黒カビ対策だけなので「掃除する」、「乾燥させる」、「換気する」というふうにやることは決まっています。
だから「こうすればこうなる!」という農薬的思考でもやっていくことができます

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でも、栽培だとそういうわけにはいかない…

とても複雑で難しい…


たとえば、風呂場の場合は湿度が高いと黒カビが生え、湿度が低いと黒カビは生えません。
でも、栽培の場合は湿度が高いと黒点病やベト病が出て、湿度が低いとうどんこ病が出ます。
これにすす病やサビ病なども入り交じり、さらに換気に当たる風通しを良くすれば害虫の飛来が待ち構えています。

風呂場はあくまで「環境整備ってどういうこと?」を理解するためのたとえで話しました。
植物栽培は環境整備がもっともっと複雑なので…

でも、環境整備を覚えたら病害虫防除がかなりラクになり、農薬に頼らずともラクラク無農薬に進んでいけることは少しでも理解いただけるかと思います。