「バラは日当たり抜群な場所が好きなわけではない!」

これはバラ指南サイトに書いていますし、日当たりについてはオンラインセミナーの「葉っぱの本当セミナー」でバラと日当たりの話は解説しています。
バラって陽の光が強いと光合成が弱まるんですよねえ…

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そして、ここは病害虫サイトなので日当たりとバラと病害虫の話をしますね!

陽の光と病原菌

まず、陽の光というのは紫外線と赤外線…
植物の病原菌は糸状菌でカビ菌だから、陽の光を当てると紫外線の殺菌効果で殺菌できるのでは?と…皆さんはそう思いますよね!

効果は…無いです(*^▽^*)

まあ、効果が無いからお日様の元でも増殖しちゃうわけなので…メカニズムはオンラインセミナーででもやります。
ただ、糸状菌とは違う細菌の根頭癌腫病菌には効果があります。
といっても、この細菌はバラ体内に潜伏するので直射日光が届くことはありません。
根頭癌腫病菌が鉢に付着していたりハサミに付着している場合は陽に当てておくことで殺菌することはできます。

糸状菌は胞子なので直射日光は平気です。

バラの株元への日当たり

風通しは「株元の風通し」という話をしましたが、日当たりについては株元への日当たりはバラには必要ありません。
というか、害になる…
これを知らない人が多いですね。

バラは急激な温度差や湿度差に敏感なんです!

自然界では樹木の株元というのは雑草や枯れ葉に覆われたり、木陰になったりで、株元には日が当たりにくくなっています。
そして、バラは樹木の中でも急激な温度差や湿度差にとても敏感なんです。
巨木化するまで、敏感なのは続きます。
株元に日光が当たることで急激な温度差や湿度差がとても起こりやすくなりますから、これを避けなければいけません!

…ちょっと脱線小話…

一般的に「弱い」とされるバラについて

この温度差や湿度差に敏感なバラたちは「農薬を使わないと育たないバラの品種」として迫害されつつあります。
温度差や湿度差に敏感に反応し、葉っぱを落とすことで自身を守ろうとするバラは病原菌さえ利用します。
これが本当に弱いバラなのでしょうか?
強健品種と呼ばれるバラたちにも病気が出まくるのは、弱いからでしょうか?

住宅地で起こりやすい急激な温度差・湿度差への対策

自然や畑や田舎の庭と違って、都会の住宅地では急激な温度差や湿度差がとても起こりやすくなります!
田舎では真夏でも朝は朝露が発生します。
夜~朝日が昇っても、この朝露により急激な温度変化や湿度変化は起こらなくなっています。
でも、都会の住宅地は朝日が登った瞬間に急激に温度が上がり湿度も上がり、そしてすぐに急激に湿度が下がります。
ただでさえ、急激な温度差や湿度差がとても起こりやすい都会の住宅地で、しかも株元に日が当たっていれば…これがさらに急激な温度差や湿度差となってしまいます。

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だから、ゆうきの園芸ショップはマルチングにうるさいわけです

「マルチングは百害あって一利無し!」と息巻いて言っていたバラの先生がマルチング材を売り出してみんながズッコけたという話が昔あったような…(*^▽^*)
マルチングの必要性を説くとバラの先生から馬糞のマルチングなる珍妙な事も出てきたりしましたが…

ハッキリ言って…
ガーデナーが、急激な温度差や湿度差とならない環境や条件をバラに与えてあげる!

この方法の一つがマルチングです(*^▽^*)
住宅地で株元に日を当てないというのはとても難しいことですし、それはバラ園などでも同じです。
そして、無農薬栽培、有機栽培、自然栽培などはマルチングされていることは当たり前です。マルチングもしていないのに「無農薬だあ!」はちょっとねえ(*^▽^*)
無農薬栽培、有機栽培、自然栽培は土が隠れていることが前提での栽培なのです。

ただね、マルチングしたから絶対に急激な温度差や湿度差は起きないわけではありません。あくまで緩和策です。緩和策だから無農薬思考です。

栽培ハウスって暑くなりますが熱い空気は上に登っていくので株元は風通しが良ければ温度は逆に低くなります。
これにパレットで風通しも良くなっていますので、マルチングはポットシートだけで充分となります。でも、急激な温度差や湿度差が出てしまう場合はクリプトマルチの出番となりますが…まったく大丈夫です。

マルチングの話はこれぐらいにして…(余談でした…)

日当たりが必要な葉っぱに日が当たればOK

風通しは株元でしたが、日当たりはどこにかというと…
これは当然ですが葉っぱですよね!薄くてみずみずしくて光合成が強い新しい葉っぱに日当たりが欲しいですね!
一方、色が濃くなった固くパリパリした葉っぱは、本当は陽に当てる必要はありません。それほど光合成しないから、落ちて新しい葉っぱを展開させたいところです。

でも…色が濃くなった固くパリパリした葉っぱしかなかったら?
そうです、このパリパリ葉っぱしかバラが持っていない場合は光合成がとても弱いので「日当たり抜群が一等地」になるわけです!
肥料はガッツリ、日当たりもガッツリみたいな感じですね。

ピーキャット流有機栽培は肥料はコントロールし、古い葉っぱは若い葉っぱに入れ替えることを大事にする栽培です。
だから、日当たりを意識するのは光合成が強い若い葉っぱだけです!ここにしっかり日が当たればOK!
日当たりの確保が難しい住宅地でも、ピーキャット流有機栽培は育て方やリバイバルという資材でいかようにもできる技があります(*^▽^*)

ただ、若くてみずみずしい葉っぱほどチンチンに焼けたコンクリートのそばが苦手…
固くパリパリした葉っぱは奪われる水そのものが少ないので鈍いですが、みずみずしい葉っぱは水が奪われることに敏感です。
シュートを伸ばす先は日当たりの良い方向ですが、熱くなっている場所は意識してくださいね!