3月4月のバラの楽しみ方

寒い季節が終わりを迎え、桜の開花で心踊る季節!
バラも休眠から目覚め、いよいよ楽しみなシーズンもすぐそこまでやってきていますよ!

3月、4月の頃のバラって?

バラの生長ステージ

てんちょー解説

こんにちは!

梅が咲き、桃が咲き、足元を見ればオオイヌノフグリやタンポポ、菜の花、4月になれば桜!とだんだんと景色が色づくこの季節!
バラは「休眠期」を終え、「生育期」のステージに入っています。

まだ3月のうちは寒さと暖かさを交互に繰り返しますが、春の光を受けて、バラは休眠から目覚め、少しずつ芽を伸ばしてきます。
小さな葉が見え始めると動きも早く、日ごとにその変化、生長が見られ、花の時期の訪れを近くに感じてウキウキする季節でもあります♪

4月にもなればアッという間に、枝だけだったバラの株は、緑の葉っぱで覆われるようになり、蕾が膨らみ始めます。
中旬頃になると、早咲きのものは開花を始めるものも!

春の暖かさと共に、虫や病原菌も少しずつ活動を始めてくるので、日々の生長を楽しみつつ、バラの様子を観察することが大切な時期です。

生長サイクルについての解説はコチラ!

この時期のお楽しみはこれ!

個性あふれる新葉や新梢を楽しもう!

この時期は点だったバラの芽がみるみる間に葉になり、枝を伸ばし、蕾をつける…バラの姿がとても変化する季節です。
新葉の頃から、そのバラ特有の個性を発揮し、葉の様子や枝の伸ばし方も様々!
そのバラの特性を観察すると共に、その違いを楽しんじゃいましょう!

この時期のバラ作業あれこれ

リバイバルで微生物活性化!

休眠明けのバラは、実は冬の寒さや凍結で根が傷んでいたり、根が張れていなかったりで、あまりうまく全体が機能できないことが多かったりします。
それなのに、3月4月の気候は、乾燥が強く、風も強い!
順調に芽を伸ばせる、優しいケアサポートをしてあげたいところです。

しっかりバラが栄養を取れるようになるためには…土壌が大切!
土壌は、バラにとって私たちの腸のような役目も果たしている部分です。
リバイバルで有機土壌の微生物を活性化させて、スムーズな新陳代謝を促す「腸活」をしてもらいましょう!
冬場もリバイバルを与えていた方はもちろん、ちょっとサボっちゃったな…という方も、3月からはぜひしっかり与えてあげて下さいね!

陽当たりの良い場所のバラや、地植えのバラにはリバイバルLightもおすすめ!
酵素の力で、土壌を元気にしてくれます。

芽だし肥料を与えよう!

3月の上旬、芽が伸び始めたら、芽だし肥料を与えます。
芽出し肥は「芽を出すための肥料」というより、「芽を伸ばすための肥料」として与えるのがおすすめです。

・芽が少し動き始めそうな頃に…
薄いアミノリバイバル
・芽が伸びて葉が見え始めた頃に…
ぼかし肥料

という流れがおすすめ!

施肥コントロールをおこなう場合は、活性有機ぼかし、ちょっと自信がないなぁという場合はPSPぼかしをおすすめします。

施肥コントロールでは、一度に与える施肥量を減らします。
説明の規定施肥量の1/3~1/2を与え、随時バラが必要とする栄養を補っていく(アミノやありん)方法です。
バラが必要以上の窒素をため込まないようにすることで、病害虫を減らすことが出来ます。

また、鉢植えの場合、その年植え替えをしたのか、しなかったのかでも、施肥量をコントロールしてあげるのもいいですよ!
植え替えをした株は、土に堆肥成分たっぷりなので、一気に窒素が効いてしまうことがあります。
植え替えをしていないと、保肥力も落ちているので、肥料が効きにくくなっています。

更に、品種によっても欲しい養分の量は違いますので、特に大きな花を咲かせるHT系統は、きちんと肥料を与え花の前にはリン酸を効かせてあげたい系統です。
イングリッシュローズなどは、あまり肥料(窒素)を効かせすぎると、一番花が野暮ったい感じになったりすることもあります。

ピキャッシュの濃度に注意!虫対策はガーディアンコートがオススメ!

ピキャットクリアスカッシュを混ぜたものをピキャッシュと呼んでいますが、ピキャッシュを新芽や新葉へ散布するときは、濃度に注意が必要です!

通常100ppmのところを50ppmにするなど、薄め薄めで散布を行ってください。
薄めても薬害が出て、葉がチリチリになってしまうことがあります。

新芽は柔らかで傷つきやすく、水分も奪われやすいです。
またこの時期は、バラの株自体がまだ循環が良くなっていないので、薬害が出やすくなります。
しっかりとバラが動き出し、乾燥に対応した葉になるまでは注意が必要です。

この時期は、無理にスカッシュを混ぜずに薄めのピキャットクリアとCaで病気予防、ガーディアンコートでピンポイントに害虫対策、もお勧めです。

芽かき作業について

「芽かき」というのは、その名の通り「芽を取る」ことです。不要な芽を早めに取ることで栄養を分散させない目的があります。
野菜づくりなどでも一般的な作業ですが、当店ではバラへの芽かきはあまり積極的におすすめしていません。
同じ箇所から5つも6つも伸びようとしている場合や、明らかに混み合いそうな場合は、良い芽を残して3つくらいにしたりする程度です。
生産現場において、1株1株を丁寧に芽かき作業をやらなくても大輪は大輪で、中輪は中輪でたくさん咲いています。

芽がたくさんあっても、全部同じように伸びることはほぼ無く、芽が伸びてから不要な部分を取り除いても十分間に合います。
唯一残した芽を伸ばしたのに風に折られたり、虫にやられたりでダメになってしまうというようなリスクを避ける方がおすすめです。

数年そのバラと付き合いながら、芽を取った方が良いお花が咲いた、取らなくても変わらないというようなことは、どんどん挑戦して経験値を増やすのも楽しみの一つかとは思います。
ハイブリッドティー系統のような大輪で、究極の一輪を咲かせたい!というような場合は、芽かきはした方が、目的を達成しやすいかもしれません。

蕾を確認したら「ありん」を!

新芽の先が、もさもさと葉が渋滞しているような雰囲気になってきたら、それは蕾が隠れているかもしれません。
優しくつまんで、固いものがさわれば、それは小さな蕾です。

蕾がついたらピキャット・ありんの散布で、リン酸補給をしましょう!
リン酸を補給することで、バラが積極的に蕾へ糖やタンパク質を運んでくれます。

なんだか葉の色が薄い!?

有機栽培を行い、肥料の量を適正にしていくと、バラの葉の色は薄くなります。
当店の鉢バラや新苗を手にとっていただいた方はご存じだと思いますが、当店のバラ苗もまた葉の色は薄めです。

ピーキャット流の有機栽培を始めて、葉の色が濃くならないからといって不安になったり、肥料を追加するなどのことは必要ありません。
それは肥料の量が足りないからではなく、バラが健全に活動をすることが出来ていることにより、必要な量だけの葉緑素をバラが作れているからなのです。

若く、瑞々しく、元気いっぱいの緑色の葉をどうぞお楽しみください。
葉っぱの秘密についてはこちらの記事もご参照ください♪

逆に葉色が濃くて不安になってしまった方!
葉色は日照などでも濃くなったりします。有機栽培で育てると、その環境の差によるバラの対応の変化もまた顕著になります。

早くに弱々しく蕾がついたときは…

もともと細枝の品種は別として、早いうちに弱々しい枝に蕾がついた場合は、思い切ってピンチしてしまう方がおすすめです。
四季咲きだったら、またよい枝を出してよい蕾をつけてくれます。
この写真の株は、あまり状態の良くない大苗の初めての春だった時で、蕾を見つけたのが3月21日、すぐにピンチを行い、その後蕾をつけ5月下旬頃に花を咲かせました。
流石に3月の蕾はピンチをおすすめします。

この時期現れる病害虫はこちら

うどんこ病


蕾や新芽に出やすい、白いカビ状の病気です。
ピキャッシュで洗って対応します。
特に出やすい品種については、窒素分を控え気味にし、優先的に適度な風通しを確保できる場所に置き、蔓延防止のために風上には置かないようにします。
ピキャットクリアピキャットCa(カルシウム剤)を混ぜて散布し、強い体づくりを心がけます。

詳しい解説はコチラ!

アブラムシ

アブラムシ
新芽や蕾に群がって、吸汁します。放っておくと、すす病の原因にも。
ピキャッシュで対応できますが、この季節は数が少ないうちに手で取ってしまう方が薬害などを気にかけずにすみます。
増えすぎて困った!というときは、ガーディアンコートがお勧めです。
品種によってもつきやすいつきにくいがありますので、つきやすい品種を、風当たりの強い場所から避け、風上に置かないなどの物理的防除も蔓延を防ぐ対策になります。

詳しい解説はコチラ!

バラゾウムシ


せっかく伸びた新芽や蕾のついた枝を、しおれさせてしまう厄介な虫です。
柔らかい新芽や小さな蕾にいるので、見つけたら手を下に受け皿にして触って手の中に落とします。
摘もうとすると、自ら落ちて逃げられてしまいます。
枝が硬くなってくると見かけなくなります。
しおれてしまった部分は元に戻らないので、しおれていないところまで切り戻し、切った部分は放置せずゴミでしっかり捨てます。

詳しい解説はコチラ!

益虫も出てきます!

害虫もいれば、益虫も寄ってきます。
存分に協力してもらってください♪

・アブラムシを食べてくれるてんとう虫の幼虫と、ヒラタアブの幼虫

・アブラムシなどを食べてくれる、赤ちゃんカマキリ

▼バラの害虫と益虫については、こちらもチェック!

終わりに

てんちょー解説

春先の作業まとめ、いかがでしたでしょうか~

暖かくなると、虫や病気も出てきてやきもきすることも多くなると思いますが、だいたいトラブルは新芽付近で起こりますので、鉢植えの場合は水やりの時に新芽周りを観察するだけでも、早めの対処に繋がりますよ。

一番の花のシーズンまでもう少し!
バラが最高のパフォーマンスをできるよう、ぜひ見守りとサポートをしてあげてくださいね!