バラの台風対策とその後のケア

ここでは、バラの台風被害を最小限におさえるアドバイスをまとめています。
ですが、同時に事故にならないように皆さんへのご注意もいたします。
私たちスタッフも皆さんも気持ちは同じ!
まずは安全第一!その上でバラたちもことも考えていきましょう!

ご自分の身、ご家族の身を第一に考えましょう!

近年の異常気象は度を超しています。
私は数年前の台風で小さな竜巻?に遭遇して農場で九死に一生を得ました。
水はけの良い農場であったのに途中の水路がゴミで詰まって農場全体が灌水寸前になった事もありました。
どれも間一髪で助かったわけですが…
万全の安全策をうちながら、台風対策をしていきます。

そして、皆さんにもお願いがあります。
ご自分の身、ご家族の身を第一優先にして、台風が過ぎ去るまではバラに近づかないようにしましょう。
また、鉢バラの避難場所も人間の避難の邪魔にならない場所でおこなってください。
特に風速30mを超える可能性がある場合は、トゲのあるバラは凶器になります。
台風前に対策して、あとは台風が過ぎ風がやむまでは自宅待機!

私たちスタッフと一緒に、安全第一で乗り越えていきましょう!

近年の台風のパターン

近年の台風は、「大雨→暴風雨→暴風」の順に起こります。
暴風雨の後の暴風時は強い日差しが差すこともあり、これが葉っぱの傷みにさらに追い打ちをかけます。
これ、バラにとっては最悪なんです。
ですから、これに対しての具体的な対策をアドバイスいたします。

雨が降る前に台風対策を

台風襲来前に強い雨となってしまうことが多いので、早めに対策をしておきましょう。

鉢植えはできるかぎり風の影響が無さそうなところに避難させましょう。

家の裏や玄関、お風呂場などに避難させる方が多いですが、玄関は万一の床上床下浸水時に邪魔になります。
お風呂場は断水時の水確保で大事な場所です。
あくまで人間優先を心がけてください!

鉢植えは1カ所に固める

鉢植えは1カ所に固めてしまうと倒れにくくなります。また、誘引紐でぐるっとすべての枝をくくっておくと枝折れしにくくなります。

株を守る!

葉っぱは暴風だとまず傷みます。潮水が飛んでくるとさらに傷みます。折れやすい枝はあらかじめ切っておきましょう。
一番マズいのは株の付け根から折れてしまうことです。これを絶対に避けていきましょう!

枝は根元近くを固定しない

枝が折れないように紐で固定する場合、根元近くを固定すると枝が折れやすくなります。中ほどと先端近くの2カ所を固定すれば折れにくくなります。

地植えの株は、株に向かって支柱を差して固定する!

まっすぐ支柱を立てても安定しません。風ですぐに曲がってしまいます。
コツは、株に向かって差していくことです。

枝を整理しておきましょう

あまり枝を切りたくはありませんが、株を守るためには枝を切った方が良いことも多々あります。
特に暴風が予想されるときはあらかじめ切ってあげましょう!
特につぼみは風で振り回されて、枝折れの原因になるので、切ってあげましょう。

オベリスクやフェンスはしっかり固定!

暴風時はオベリスクごと、フェンスごと持って行かれます。しっかり固定しておきましょう。
大きなものであれば、足場パイプで固定することもあります。

可能であれば、防風ネットで覆ってしまうのも一つの手

出来るならば、株全体を大きなネットで覆ってしまうと、枝同士で傷つけ合ってぼろぼろになりにくくなるので、回復が早くなります。
ただし、ネットを絶対に飛ばないように固定できる事が大前提です。ネットが飛んでしまうと、周りを巻き込んで、さまざまな被害が出てしまいます。
下に空間があると、下から持ち上げられて吹き飛ぶ危険が高くなるので、下に隙間が無いように張るのが大事です。

写真は、台風が直撃したとき、農場にて防風ネットで周りを囲んでいた様子です。(どちらも台風通過後の様子)
ネットから出ている部分は傷だらけになってしまいましたが、ネットのあった下の方は被害が少なくて済みました。

こちらは、お客様からお借りした対策の様子。

しっかりフェンスにバラが抑えられているので、台風通過後もバラにはほぼ傷み無くやりすごせたということです。

これからの時代、台風が通過する恐れのある地域では、こういった場合に対策が出来るように庭造りをしていく必要がありそうです。

台風襲来中の対策

台風襲来中はバラに絶対に近づかないでください。
鉢が倒れたらそのままにしておきます。鉢は集めて置いていますから転がっていきませんよね!
まして、立てて倒れて立てて倒れてを繰り返す方がダメージは大きくなります。

あとはバラを信じて、バラの柔軟性に頼って、ハラハラしますがとにかく我慢です。

台風襲来直後のケア

台風が過ぎ去ったら、後は皆さんの出番です!

まずは現状復帰

鉢バラは元の場所に戻してあげましょう。
枝折れが無いか見ながら、固定した紐も取ってあげてください。折れてしまった枝は、ハサミで切り戻します。
土がこぼれていたら補充してあげましょう。
株が傾いてしまっていたら、元に戻してあげてください。

ピキャットクリアで洗浄

次にピキャットクリア50ppmで株全体をしっかり洗浄します。
汚れが酷い場合は、水で洗い流した後でピキャットクリアを使ってください。
枝葉をまんべんなくピキャットクリアで洗い流すように洗浄します。
これで悪い菌の付着や汚れ、潮水からの塩害を阻止します。

また、ベランダやエントランスなど広い範囲でピキャットクリア50ppmで洗浄しておきましょう!
床下床上灌水など、次亜塩素酸水で消毒すると効果絶大です。
ですから、庭やベランダなどはピキャットクリアを活用してくださいね!
洪水後の臭いも無くなりますよ!

それと、台風後のピキャットクリアは晴れていてもおこなってください。
ピキャットクリア自体の効果は得られなくても、洗い流す効果はあります。

そして次の朝、鉢植えは土が乾いてなくても必ず水やりしてください。

その後のケア

次の日も、できればピキャットクリア50ppmを噴霧してあげてください。
直後ほど効果はありませんが、これも効果的です。

暴風にさらされたので、葉っぱも枝も傷んでいます。
ちぎれたりして目に見える場合もありますが、目に見えない傷も無数にあります。
すでにピキャットクリアで消毒はしていますから、あとはマルチング材などの消毒もおこなっておいてください。
庭でマルチング材が灌水してしまった場合はしっかり消毒。もしくは交換しましょう。

ただ、葉っぱはすでに傷ついています。
黒点菌は入り込みやすく、菌が侵入しなくても葉っぱの傷が茶色くなったり黒ずんで浮かんできます。
この後は葉っぱがボロボロになり、落葉もします。
まずはこのまま傷んだ葉っぱは取らずに置いておきましょう。

そしてこの後は…
バラを信じてあげましょう!
皆さんはゆうきのチカラで育てる栽培をしています。
葉っぱがボロボロでも丸坊主になっても、すぐに芽吹いて新しい葉っぱを展開していきます!

株元だけチェックして、株元で折れがなければ枯れることはありません。
今からじっくりゆっくりケアして育ててあげれば、秋には何事もなかったかのように花を満喫できますよ!

施肥の必要がある場合は、少し落ち着かせてから与えていきましょう!

わからないこと、不安なことはお問い合わせください!

台風前後の夜は私がPCの前で待機しています。
たくさんの相談や質問は来ますが、届いた順からガンガン返信しています。

台風対策と言いましてもいろいろな場面でいろいろなパターンがあります。
ここでは書き切れないこともたくさんありますので、個人様ごとのアドバイスが一番適しています。
ですから、皆さんどしどしご質問ください!

ただし!
混み合うとそっけない返答になることも多々あります。
要件だけ言い切ってしまう場合もあります。
そのときは、「うりゃねこは今頃パニックしているな?」と、お優しい目で見てくださいね!

そうそう!
できれば2度手間をなくすために、写真付きでのご質問ご相談をお願いします。
写真添付できない方はかまいませんが、できるかぎり折り返しの返信をお早めにお願いします。

*当店農場での台風被害がある場合、朝から夕方までは農場にて作業しております。
ですから、基本的に夜限定の返信となりますのでなにとぞご了承お願いします。