てんちょー解説

当店の推奨するピーキャット流有機栽培では、農薬を使わないバラの病気予防の要は、ピキャットクリア(次亜塩素酸水)での洗浄作業です。
病原菌の絶対数を減らすことで、病気にかかる確率を減らしていきます。

ピキャットクリア単体では病気予防のみ

次亜塩素酸水であるピキャットクリアには虫への効果はありません。
アブラムシにかかってもへっちゃらな顔をしています。

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虫の退治も同時に狙う場合は、スカッシュという展着剤を混ぜ、気門封鎖で物理的に対処します。

▼スカッシュについてはこちら▼

ピキャッシュの散布の様子を動画で見る

ピキャッシュとは、ピキャットクリアにスカッシュを混ぜたもののあだ名です。

農場でのピキャッシュ散布の様子です。

ピキャッシュは洗い流すようにたっぷり撒くことと、軽装で気軽に散布して効果が出るということが、少しでも皆さんに伝わればと思います。

農場では、ピキャットクリア50ppmもしくは100ppm液にピキャットCaとスカッシュを混ぜて散布を行っています。

主に、曇りの日を狙い、なかなか日に恵まれない場合は、早朝か、気温の下がってきた夕方に散布し風通しを良くします。

葉の表裏にしっかりかかるように丁寧に散布します。
しっかりかかれば、ホソオビアシブトクチバの2cm位のものも、退治できます。

ピキャッシュ関連のよくある質問

Q.ピキャッシュ散布の時はしっかりとした装備が必要ですか?
A.動画を見ていただくとわかるとおり、農場での通常作業スタイルとして、できる限り肌は出さない感じにはしていますが、マスクや手袋などはしていません。
しかし、スカッシュは農薬登録されいている展着剤ですので、ボトルに記載されている使用方法などは良くお読み下さい。
肌の弱い方や、アレルギーなどのある方は、特にお気をつけ下さい。

スカッシュを混ぜない、ピキャットクリアのみの場合は、肌や体への負担はありません。

Q.ピキャットクリアに混ぜられるものは何がありますか?
A.ピキャットクリアは、有機物と混ぜると急速に失活して効果が薄くなったり、思わぬ化学反応をしてしまうことがありますので、何かと混ぜて使用することは基本的にしません。
ただ、当店で確認できている、ピキャットCaとの混合、スカッシュとの混合は、殺菌効果を失わず安全に使用することができます。
Q.全然虫に効果がみられません…
A1.液が正しい希釈になっていない可能性
植物にも負担が少なく、一番効果が認められるのは、ピキャットクリア100ppmにスカッシュ1000倍液です。
ピキャットクリア50ppmにした場合、葉への負担はより優しくなりますが、スカッシュの効果は100ppmの時よりも劣ります。
(100ppmだとポロポロ死滅するアブラムシが、50ppmだと小さいものには効いて全体的な数が減る…程度の効果になります)
また、スカッシュが1000倍以下になっていても、効果が発揮できません。
スカッシュの原液は非常に粘着性の高い液ですので、数ミリで混ぜ無ければいけない量の場合は、計量器にスカッシュが残ってしまい、できた液が1000倍になっていない可能性が考えられます。
数ミリで混合する場合は、プラス1mlで計量して液を作ることをお勧めしています。

A2.液が対象にしっかりかかっていない可能性
ピキャッシュは、窒息で虫を退治するものです。
ですので、しっかりと液が対象にかからないと、効果はありません。
たくさんスリップスが発生している花には、ピキャッシュを花に流し込むくらいの方法で、退治する必要があります。
また、オオタバコガなどの幼虫は、新芽の小さな葉の間や隙間にいることが多く、なかなか液がかかりません。
そういった虫は、目で見つけて捕殺してしまう方が早いでしょう。

Q.どれくらい間隔をあけて散布するものですか?
A.ピキャッシュは、除菌水と展着剤ですので、一般的な化学農薬のような制限はありません。
ただ、展着剤の連続散布は葉への負担も大きくなります。
虫への効果を必要としない場合は、スカッシュを混ぜずにピキャットクリア単体で洗うように散布するだけでも効果があります。

農場では、春以降、およそ1週間に一度のペースで散布を行っています。

Q.薬害が出てしまいます…
A.葉へ何かを散布するということは、少なからず薬害症状を起こす可能性のある作業です。
薬害については、うりゃねこさんのバラの育て方の方でも、多く取り上げられている話題です。
こちらから一覧を見ることができますので、ぜひご参考にして下さい。
「薬害」に関する記事一覧

また、品種的にどうしても相性の良くないバラも、中にはあります。
その場合は、ピキャットクリアだけの散布にして、虫にはガーディアンコートでの対応をオススメします。

Q.黒点病が止まりません
A.バラの黒点病は、黒い点を目視できたときは、葉にたくさん菌が入り込んで増殖している状態です。
ピキャットクリアを葉に散布するだけでは葉の内部にまでは入りませんので、そうなってからピキャットクリアの散布のみで黒点病を止めることはほぼ不可能です。

黒点病は水を介して、葉の気孔から菌が入ります。
雨の後は爆発的に菌が増えますので、まだ葉が濡れている状態でも構わずにピキャットクリアで洗浄を行うことが1番効果的です。
黒点病菌を減らすことが出来ます。
菌の数を減らすことができれば、バラが強く育っていれば、バラの体内にも入り込まれにくくなります。
また、黒い点が出てしまった葉が、きれいに元通りになることはありません。
菌を増やす元になりますので、病葉は早めに取り去りましょう。

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また、今後も随時良くいただく質問はこちらに追加していきます。