今まで言われてきたデタラメで育てちゃうと、酷暑でバラちゃんがどんな状況に追い込まれちゃうのかは大体わかったにゃ!
酷暑をピーキャット流有機栽培でバラは乗り切ることができますが、実はそれより前から、”乗り切れるような”株にしておくことも大事です。
確かに…!
急にそのポイントだけ夏に気をつけても、すでに多肥だったり、動かない株になっちゃってたら意味ないにゃ!
では、抑えておきたいポイントを解説しますね!
バラはすでに十分頑張っていますよ!
バラは基本的にはどちらかといえば寒い地域の植物ですが、とてもタフな植物で、今では色々な地域で育てられています。
地球温暖化による酷暑でもなんとか耐えしのんでくれています!
皆さんがバラを育てている場所は住宅地、コンクリートやアスファルトに囲まれ、自然ではあり得ない過酷な環境でバラを育てています。
それでもバラたちはがんばってくれています!
しかし!多くの人たちはバラに甘えてばかり…
バラがタフだから、バラの適応力が強いからなんとかなってはいるものの、ちょっと病気が出たり生育が悪くなると「バラは弱い、バラ栽培は難しい」と文句を言われてしまう…
もっと愛情を持ってバラを育ててあげませんか?
まずはデタラメなイメージを排除し、本当を知ってあげる所から始めてください!
その特等席、本当にバラにとって特等席ですか?
「ここは庭で一番日当たり時間が長い特等席!ここにバラを植えたらバラは大喜び!」
「特等席」よく聞きます(*^▽^*)
よくよくお話を伺うと、直射日光が早朝から日没まで良くあたる場所でした。
植物は光合成しますので日当たりは大事!なんですが…
強すぎる日差し、暑すぎる気温、蒸れすぎた湿度はバラにとっては地獄…
動物なら動くことで避けることはできますが、植物は動けないから避けることはできません。ひたすら耐えるしかない…
バラって酷暑はほとんど光合成しないのをご存じですか?
暑いとバラは自分の体内を冷やすために葉っぱの気孔を大きく開けて体内の水分を蒸散させ、体内の熱を逃がします。
人間が汗をかくのと同じです。
酷暑は大半を熱の放出に使うので光合成どころではないんです。
勘違い特等席、人間でいえば熱中症発生場所
本当のバラの特等席はほどよく日差しがあり、風が通り、熱や湿度が溜まらない場所です。
日差しは4時間以上あればOKだし、コンクリートやアスファルトの近くなら日中の強烈な日差しはとても厳しい…
強烈な西陽はとくに苦手…
バラをわかってあげましょう!
葉っぱが多いと酷暑はきつい…!
「葉っぱは一枚でも多くついていた方が生育に有利!」
この人間の自分勝手な妄想は未だに根強く残っているようですが…
葉っぱはソーラーパネルのようなイメージを持つ人が多いかもしれませんが、生き物だから当然そういうわけにはいきません。
葉っぱが多いと光合成がたくさんできて生育に有利というのは、これは妄想…
酷暑だと、葉っぱが多ければ多いほど葉っぱが受ける熱が多くなり、この熱を逃がすために葉っぱからの蒸散量も多くなり…
酷暑は光合成はほとんどせずに熱の放出に躍起になるので…
バラは当然ながら、葉っぱが多ければ多いほど過酷になっていきます。
もちろん、酷暑でも葉っぱは必要です。葉っぱはある方がもちろん良い!
でも、葉っぱの量は最低限で良いんです。
少ないですが光合成はしますし、葉っぱで新陳代謝が活発になります。
だから、若くてみずみずしい葉っぱだけあれば、酷暑はこれでOK!
古くて大きくて分厚い葉っぱはまったく要らない!
葉っぱを守りたくて仕方ないバラのガーデナーが多いですが…
それ、バラへの虐待ですよ!ってことを知れば、無駄に葉っぱを守ることはやめてくれます。
できるかぎり、暑くならないようにする工夫
チンチンに焼けたコンクリートやアスファルト…
バラたちの周りにありませんか?
風は通ってますか?
熱風が吹いてきたりしていませんか?
日差しが強すぎませんか?
葉っぱやつぼみの水分が奪われすぎていませんか?
湿度が異常になっていませんか?
蒸れてませんか?
バラを育てる環境をどこまで良くできるかは、これは住宅地で育てている以上、限界はあります。
でも、少しでも良くしてあげる工夫はやっていくべきです。
ここでは詳しく話せませんが、セミナー等でやっています。
肥料過多で育てれば酷暑は乗り越えても秋は悲しい…
肥料過多で育てると葉っぱは固く大きく分厚く緑が濃くなります。
葉っぱは老化を早め、葉っぱ内の水分も少なく、その分は水が奪われにくくなります。
これを強い葉っぱだと勘違いしている人が大半なんですね!
実は、これは鈍い葉っぱです。
強い葉っぱの「強い」とは、光合成や水の蒸散が強い葉っぱのことです。
ですから、強い葉っぱというのはみずみずしくて薄いのが特徴です。若い葉っぱと言った方がわかりやすいですね。
ここで目的と手段を混同しないようにしましょう!
夏を無事に過ごすことが夏越しではありません。秋に絶品の花を咲かせるようにすることが夏越しです。
目的はあくまで秋の花、その手段としての夏越しがあります。
緑が濃くて固い葉っぱで夏越しすれば、鈍い葉っぱなので無事に夏越しできたように見えます。
でも、実際は鈍くなっただけ…これだと秋も鈍くなる…
皆さんは緑が濃くて葉っぱが茂った鉢バラを買ったら、秋はうんともすんとも言わずに終わったという経験はありませんか?
これ、当然なんですね。
固く大きく分厚く緑が濃い葉っぱは要らないです!できれば夏に落としてしまいたい!
秋の花のために、そう考えるのがバラに優しいのです。
水をしっかり摂取できるように育てておこう!
水分補給は酷暑にかかせませんが、バラたちはしっかり水分補給できる体質になっていますか?
まだ気温が上がらないうちから新陳代謝が弱いと、酷暑ではバラは沈黙するしか生きていけません。
春からしっかり新陳代謝が強い体質にしていきましょう!
では、新陳代謝を強くするためにはどうするか?
一番愚かなのは「水遣りが多いと根が緩慢になる」という迷信を信じていることですね。
そもそも、それには土の状態や養分濃度、水はけの方に問題があり、新鮮な水が多く吸える状況では逆に根は活発に増えていきます。
植物が水を摂取するメカニズムはすでに解明されていますし、それほど難しい原理ではありません。
ですから、デタラメな迷信を信じることはないとは思います。
新陳代謝を強くするというのは、浸透圧を上げることです。
浸透圧の話は「根の本当セミナー」や「葉っぱの本当セミナー」でやっています。
ここではカンタンに…
- 古い葉っぱを落葉させ、新しい葉っぱを持つこと
- 窒素分を控え、カリをバランスよく効かすこと
- 好気性土壌を維持し軽い水涸れも防ぐこと
- 細胞を強化すること(カルシウムやピキャットクリア)
- 日当たり良い場所であること(強すぎない)
- 風通しの良い場所で育てること
…
カンタンにこれだけ挙げておきます。
春から水をしっかり摂取できる体質にしておくことで酷暑に臨んでいきます。
植物が持つ乾燥耐性システムを上手く利用しよう!
水は命の源!と言われていますが、生き物は水を失うことへの脅威を感じ、その対策ができる性質を持ち合わせています。
その対策はホルモンの作用によるモノです。
生き物はホルモンの作用がとても大事です。
人間もそうですよね、ホルモン異常を起こすと大きな体調不良を起こします。
ピーキャット流の有機栽培は10年ぐらい前から植物のホルモン作用を意識し、それを活かしてきました。
あるホルモンが必要な時にはしっかり生成でき、しっかり切り替え、不利なときは生成しない…
これを有機栽培でできるように研究開発してきました。
今回は酷暑に関してのホルモンのみ解説します。
オーキシンとサイトカイニン
酷暑は肥料を控え栄養生長させないというのは、オーキシン優勢からサイトカイニン優勢に切り替えるためです。
サイトカイニンは気孔の開閉に大きく関わっています。酷暑は葉っぱからの蒸散による熱の放出が強く必要になります。
光合成が弱くなりますし、土壌の塩基濃度を下げて浸透圧は上げるべきですし、サイトカイニン優勢にしておきたい…
有機栽培は科学的根拠で作られている栽培技術なんですね(*^▽^*)
ジャスモン酸
ジャスモン酸という乾燥耐性システムを司るホルモンがあります。
このジャスモン酸は、有機栽培では酢酸より生成されるように考えています。
ピキャットクリアを常用することにより、バラが防御に入ったときにしっかりジャスモン酸が生成され、乾燥に強い体質を持つことができます。
このジャスモン酸は生成されても生長の邪魔にはなりません。
アブシジン酸
一方、バラの水涸れから守るホルモンが生長に悪影響することがあります。
それがアブシジン酸です。
バラが水涸れを感知するとアブシジン酸が生成され、このアブシジン酸を気孔の細胞が感知すると気孔を固く閉じて水の蒸散を止めてしまいます。
つまり、アブシジン酸が生成されるとバラの新陳代謝が止まってしまいます。
とても優れたホルモンですが、軽い水涸れを何度も繰り返したり、根の障害で水を摂取しづらくなるとこのアブシジン酸はずっと生成され続けることになります。
そうなると?
そうです、新陳代謝しなくなり、光合成もしなくなり…極度の生育不良になります。
バラをうまく育てられない原因の第一位は、病害虫被害ではなくアブシジン酸によるモノなんですよね。
このアブシジン酸対策は企業秘密ですがピーキャット・リバイバルにあります(*^▽^*)
でも、軽い水涸れもさせない「水遣りは大事」をしっかりやっていれば大丈夫です。
原理は多少難しくとも、やるべきことはカンタン!
やたら難しいことを書いてしまったかもしれませんが…やるべきことはカンタンです!
■しっかり水遣りしましょう!
■肥料過多はダメ!
■ピーキャットクリアを常用しておこう!
■有機土壌を維持するピーキャット・リバイバルを常用しよう!
■古い葉っぱを大事にしない、新しい葉っぱを持てるように!
栽培の基本をしっかりやっていれば、酷暑にも負けない体質作りができる!
バラは強いので、その強さを奪わず活かしていきましょう!