7月8月のバラを楽しむ

暑さ本番の7月、8月!
厳しい暑さをどう乗り切るかで、秋以降のバラの楽しみ方も変わっていきます。
熱中症には十分お気をつけて、バラと一緒に上手に夏越ししていきましょう!

7月、8月頃のバラって?

バラの生育ステージ

てんちょー解説

こんにちは!

この季節は開花期が終わり生育期に入って、株元からシュートが伸びたりと、株の成長が著しい時期です。

ただ、梅雨時期の長雨で病気が出て葉を落としたり、梅雨明け後の暑さで、動きが止まってしまうバラも出てきます。
こういったバラは休息期として、とにかく暑さが厳しいこの時期は、なるべく花はお休みさせて株のケアを中心にお世話していきましょう!

夏の暑い時期は虫の動きも活発で、害虫に悩まされる時期でもあります。
ハバチ類、ホソオビアシブトクチバ、ヨトウムシ、オオタバコガなど、バラを食害する虫が増えてきます。
ピキャッシュの定期的な散布も大事ですが、バラをしっかりと観察して早めに対応して、虫からバラを守ってあげてください。

梅雨時期から出始めるのが黒星病です。
しっかりとマルチングで鉢の土の跳ね返りを防ぐことと、鉢の置き場所にも注意が必要です。
鉢にマルチングをしていても、置き場所が土むき出しの場所では意味がありません。

地植えの場合も、株元をクリプトマルチでマルチングしておくと、雑草防止にもなり、おすすめです。

この時期のお楽しみはこれ!

暑い夏の時期は、軽い休眠モードに入ってしまうものもあり、無理な開花はおすすめできないのですが、そんな暑い時期でも元気に綺麗に咲いてくれるバラたちをご紹介します。

アイスバーグ

アイスバーグシーズンの間、繰り返しよく咲いてくれるバラです。
暖かく日当たりの良いお庭では1月以降も咲くときもあるほど、よく開花します。
春と比べると少し小ぶりな大きさになってしまいますが、八重咲きの花は夏でも綺麗に咲いてくれますよ。とにかくいつでも、お庭にバラが咲いていて欲しい方にピッタリのバラです。
白の他にも淡いピンクの「ピンクアイスバーグ」ビビットピンクの「ブリリアントピンクアイスバーグ」ワインレッドの「バーガンディアイスバーグ」など、色違い品種があります。

ブラッシュノアゼット

ブラッシュノアゼットこちらも繰り返し咲性の良い品種で、夏でも樹勢が落ちることなく花を咲かせてくれます。
淡いピンクの小輪の花を房で咲かせます。つる性ですが、よく花を咲かせるので、あまり枝は伸びず、2mほどの株となります。
強剪定して、ブッシュ状に育てることもできますし、日陰や西日にも強い品種です。

オールドブラッシュ

オールドブラッシュ早咲きで、シーズンの初めから終わりまで、ほぼ休むことなく花を咲かせます。
地植えで育てると、さらに返り咲き性がよくなり、大きめの株に育ちます。
丈夫でトゲも少なめで扱いやすい品種です。

他にもノアゼット系、チャイナ系は暑さに強く、返り咲き性のよい品種が多いので、1つお庭にあると、夏でもバラを楽しめると思いますよ♪

この時期のバラ作業あれこれ

バラの状態に合わせてケアしよう!

梅雨が明け、一気に気温が上がり始める時期です。
長雨で病気が出ている状態で、さらに気温が高くなり、一気に活性が落ちてしまうバラも出てきます。

弱っているバラ、休息期にしているバラ

弱っているバラ活性が落ちてしまったバラは、なるべく蕾を取るようにして、樹勢の回復を優先させましょう。

固形肥料はしばらくお休みして、リバイバルや薄めのアミノでケアしていきます。

鉢の乾きが遅くても、新鮮な酸素を送るためにも、水やりはしっかり行います。

元気なバラ

元気なバラ夏でも生育旺盛な株や今年1年目の株は、引き続きぼかし肥料を与えて大丈夫です。
枝数を増やしたい株は活性有機を、枝を長く伸ばしたいつるバラなどは、PSPぼかしがおすすめですが…

暑くなってくると、特に鉢植えの土は肥料濃度が高くなりやすくなります。
2年目以降の株などには、暑い時期はさっぱり液肥の活用がお勧めです。
恵海アミノを活用して、バラにしっかりと水を吸える環境を整えてあげましょう。

またこの時期は、花を咲かせっぱなしにしていると、コガネムシにたかられたり、スリップスを増やしたりする元になります。
暑さであまり良い花も咲きませんので、これはというもの以外はあまり咲かせない方がオススメです。

液肥の与え方ワンポイント!

液肥を与える時は、水やり代わりにいきなり与えるよりも、一度水を与えてから液肥を与えるのが酷暑での与え方です。
量が少なくても土への浸透がよくなるので液肥の節約にもなります。

そして、次の日にはしっかり水遣り!
せっかく与えた液肥が流れてしまう…とは思わずに、水やりはしっかり行ってくださいね。

葉っぱは消耗品です!

暑さへの対応などで、下葉を落とす株も見られます。

新芽や新葉が落ちてしまったり、一気に大量に葉が落ちるのは要注意ですが、特におかしな事をしたわけでもないのに下の方の葉が多少落ちてしまうのはバラの積極的な自己防衛、新陳代謝です。
人間で例えれば、日焼けした皮膚がきれいな皮膚に入れ替わるようなイメージです。
古い葉は、光合成もあまりしません。

上の方で新芽が出ていたり、他に若い葉が付いているのであればあまり気にしないで大丈夫です。

もし暑すぎることによるものである場合は、少し日除けなどを考えても良いかもしれません。

薬害に注意!

薬害の葉もともと薬害が出やすい品種に加えて、暑さで活性が落ちてしまっている株は、水の吸い上げも悪くなり、循環が悪いため葉に薬害などが出やすくなります。
ピキャットクリアはなるべく気温が低く、日差しの弱い時間帯に散布するようにしてください。
散布後、葉に水たまりが出来てしまっている場合は、弾いて落としてあげると、その部分が焼けて変色してしまうことを防げます。
また、春先から、薬害に強い株へ育てていくことも大切です。
薬害が出やすいなぁという株は、また来年頑張ってみてください。

とにもかくにも水やり!

水枯れの葉夏の強い日差しの下では、一回の水枯れでもかなりのダメージが出てしまいます。
曇りの日でも、風がある場合は、思っているより鉢は乾きますので、忘れずに水やりをしてください。
雨が降った日でも、葉が茂っている株は、鉢に水が届いていないことがあります。
夕立や小雨程度の場合は、水が足りているかきちんと確認するようにしてください。

水枯れすると写真のように、葉が茶色くなってしまったりしますが、これは水枯れを起こしてすぐに変色しない時もあるので、病気と間違えることもあるようです。
写真のような葉は、水枯れが原因です。

イングリッシュローズ、ガリカローズ、ヨーロッパ原産のバラなどは暑さや高温多湿に弱いものが多く、この時期に葉を落として弱ってしまったり、枯れてしまうバラもあります。
こういうバラには、水抜けの良い鉢を使い、水はけの良い土に植えて、古い水が貯まらないようにしてあげてください。
水はけが良い環境をしっかり作っておいて、常にしっかり水やりをできるようにしておくことが大切です。

乾かないから。
今は暑い時間だから。
で水やりをやらないのは、さらにバラを追い詰めることになります。

水をやっているのにすぐ乾く!という場合

もしかしたら、鉢の土に水道が出来てしまっている可能性があります。
そうなっていると、水をやっても全体に水が染みる前に下から水が抜けてしまい、なかなか根が水を吸える状態になりません。

鉢土の表面が固く固まっていないか(マルチングをしているとあまり起こりません)、水をやったときにすぐに下から出ていないか注意して見てください。

水がしっかり染みているかは、水やり後に鉢を少し持ち上げてみるとわかります。
なかなか染みない鉢も、3度4度、たっぷり与えると全体に水が行き渡るようになります。

それでもダメな場合は、表面の土をほぐし、できれば鉢増しをお勧めします。
鉢増しできない場合は、水を張ったバケツに鉢ごと浸け2~3時間沈めておきます。

暑さ対策!

太陽からの日差しだけでなく、アスファルトやコンクリートによる輻射熱の影響が強い場所で育てている場合は、とにかくその熱を和らげる環境づくりもポイントです。

暑さ対策の鉢バラマルチングは必須です!

・鉢は、銀色の断熱シートを巻いたり、二重鉢にするなど、鉢(側面)に直接日差しが当たらないようにすると、だいぶ違います。

・混み合っている枝は剪定して、風通しをよくしてあげることも大事です。

・壁のすぐ横などは輻射熱で思っている以上に暑い場所になっていることがあります。
 隙間を空ける、反射を抑える素材で遮ってみるなどの対策が効果的です。

・エアコンの室外機の風が当たる場所は要注意!
 カラカラになるだけでなく、ハダニも発生しやすくなります。

・鉢を直置きしている場合は、スタンドやすのこ、棚などに上げるなどの対策が効果的です。

・夏の西日は強烈です。
 西日が当たる場所で、夕方に土がカラカラになっている時は、しっかり水を与えましょう。

てんちょー解説

暑さ対策で、風通しをよくするなどした場合、同時に鉢も乾きやすくなる場合があります。
環境を変えた場合は、バラの変化にも注意を払ってあげてください。

バラの夏越し・酷暑対策についてはこちらにも詳しく説明があります!

台風対策

最近では8月にも台風が本州に上陸するようになってきました。
せっかく伸びてきた葉が傷んでしまうのはとても悲しいですが、とにかくやっておきたいのは枝を根元から折られてしまわないようにすることです。
支柱を立てて結わいたり、ネットで覆うなどの対策をしてください。
特に防風ネットでの株の保護は、暴風による葉の揺れを抑えてくれるので、傷みも最小限に留められます。
ご自分の対策が終わったら、バラの対策も早めに行ってあげて下さい。
台風対策の記事はこちら!
バラの台風対策

虫チェック

チュウレンジハバチ伸びた新芽や新梢に、芋虫がやってくる季節でもあります。
チュウレンジハバチ、ホソオビアシブトクチバ、尺取り、ヨトウムシ、ハスモンヨトウガ、オオタバコガ、その他ハバチの幼虫などなど…
また、乾燥しているところではハダニもつきやすくなります。
株元ではカイガラムシが増殖する時期です。
水やりの時に、喰われている葉や枝がないか、掠れている葉はないか、株元に白いつぶつぶが付いていないかしっかり観察しましょう。
芋虫が見つからない場合、暑い時は、だいたい葉裏や、大きいものは根元や鉢の縁裏などの日陰で休んでいることが多くなります。
見つけて捕殺が一番手っ取り早いです。

また、虫の量があまりに多い場合は、肥料の臭いで寄せてしまっていることも考えられます。
この機会に施肥方法を少し考えてみるのもおすすめです。

▼病害虫について詳しくはこちらもどうぞ

夏場はバラの足下に特にご注意を!

葉裏のチェックをお忘れ無く!


てんちょー解説

7月8月の作業まとめいかがだったでしょうか〜

近年は夏の暑さが尋常ではなく、通常の日照でも、バラの循環が間に合わずに葉焼けが起きてしまったりすることがあるようです。

夏場は、とにかく水を切らしてしまわないことが大切です。

人間の熱中症対策と同じですね!

皆さんも作業がしんどい季節だと思いますが、ぜひ涼しい時間帯に水やりだけでも頑張ってくださいね。