Pむむ

最近の夏は、病気じゃ無いけど葉が茶色く枯れたようになっちゃうことが増えた気がするのにゃ。

ピーキャット流で病気や虫はだいぶ減った気がするんだけどにゃ…

うりゃ指

それは、バラが水を吸えているようでしっかり吸えていないんじゃないのかな?

ピーキャット流有機栽培を実践すると、多くの方が無農薬栽培を実現し、病害虫の出方が変わったり、減ってくることを実感すると思いますが…

次の大きな壁!それが夏越しです!
これを理解できているかどうかがバラ栽培がカンタンになるか難しくなるかの分かれ道…
しっかり理解していきましょう!

Pしょぼ

最近は35度を超えるような日も、少なくないのにゃ。
バラちゃんもそりゃしんどいのにゃ~

うりゃデフォ

ここではまず、酷暑でどういう不都合なことが起こっているのかを挙げてみます。
理由や対策は後で書きます。まずは何が起こるのかを理解しましょう。

急性的な水涸れ症状

水が足りなくなると若くて柔らかいシュートがうなだれたりします。
葉っぱが縮れたり波打つこともあります。

急いで水遣りをして元に戻ればOKですが、それは目に見えた回復だけです。
急性的な水涸れは仕方ないことが多いですが、出来る限り避けていきましょう。

ただ、水遣りをしても戻れず細胞が壊れてしまうとその部分はもう回復することはなく枯れます。

慢性的な水涸れ症状

軽い水涸れは急いで水遣りをすれば元に戻ることが多々あります。
これで見た目は回復したように見えますが、実はバラ体内はそうではありません。

バラは水不足を感じるとアブシジン酸というホルモンを大量に分泌させ、体内の隅々にまで水が足りないことを伝達します。
そしてこの伝達を受けると、葉っぱは気孔を閉じて水分が気孔から蒸散しないように働きます。
それでも水が不足していると、次は葉っぱの付け根を閉じて葉っぱを捨てようとします。
それでもダメなら、次はリグニンを大量に生成して細胞壁を固くして木質化する老化現象を起こします。
これはバラが自身を守ろうとする自衛手段です。

急性の場合はしっかり対処すればバラも強く自身を守ることはしませんが、軽い水涸れを頻繁に起こせばバラは強く自身を守ろうとします。
そして、バラが守りに入ったらすぐにはその守りを解いてはくれません。
バラがうんともすんとも言わなくなるのはこの守りが強くなったときに起こります。

よって、軽い水涸れを甘く見るプロは居ません。
管理上、急性の水涸れを起こすのは仕方ありませんが、頻繁に起こせば強い生育不良に陥るのはわかっています。

皆さんもしっかり管理していきましょう!

高温障害による葉っぱの異常

酷暑の葉っぱの異変は、そのほとんどが水涸れ・水不足によるモノです。
水が不足しているのでバラがその葉っぱの機能を止めよう、葉っぱを捨てようとすることで葉っぱの異変が起こります。
葉っぱが黄変したりまだらになるのは、その多くが水不足によるモノです。

一方で高温でも葉っぱの異変が出ることはあります。
バラは葉っぱの気孔から水を蒸散させることで熱を体内から逃がしています。
しかし、それでも熱が放出しきれずに細胞が耐えられないと葉っぱの異常が起こります。
滅多には起こりませんが、コンクリートやアスファルトの近くでは頻繁に起こりえます。

根焼け

酷暑で起こる大半のダメージが、実はこの根焼けです。
根だから目に見えないですし、知識が乏しいと根腐れと勘違いしてさらに悪化させる人も居ます。

この根焼けについては後ほど詳しく解説します。

生育不良や急激な老化

これは病気とかではなく、酷暑が原因によるバラの生理現象により起こります。
詳しくは後ほど解説しますが、原因がよくわからないけどバラの元気が無いとか成長しないというのはバラの生理現象により起こっていることが多々あります。

バラはとても優れた植物の中でも高等な種類です。
とても強くタフであるから、バラの防衛本能、防衛力はとても強くなっています。
ただ、とても強いのでバラが一端防衛に入れば、その防衛を解くまでには時間がかかります。

バラを育てていると、生きているのか枯れているのかわからない、動かないけど生きてはいる状態のバラを目にしますよね。
これ、バラが防御している状態だからこうなります。
1本杉で枯れずにずっと生きているのも、これはバラの強い防御力によるモノです。

で、このバラの防御スイッチを入れてしまうのは夏に最も多いわけです。
これで生育不良、急激な老化のバラになってしまいます。

この防御を解く方法はここでは話しませんが、夏越しに失敗してバラが防御スイッチを入れてしまわないようにしましょう。

バラの体質が弱化する

バラの防御スイッチが入っての生育不良や急激な老化が起こる解説は先ほどしましたが…
夏越しの失敗でバラの体質が弱化してしまうことも挙げておきます。

病気が出やすかったり、成長力を失っていたりして、気付かずにバラの体質が弱化してしまうことがあります。
これは生き物特有のことで人間でも起こります。

鍛えて強くなることもあれば、ダメージで弱体化することもあるのが生き物というものです。

でもね、日本の過酷な夏に寒い地域のバラを鍛えることなんて無謀なだけですよね?
もちろん、無理させればバラは鍛えられることなく弱体化します。

葉があまりない見た目は同じようなバラでも、鍛えられた株と弱体化した株はまったく違います。

バラは機械じゃない、生き物だ!

これを決して忘れることなく、愛情を持って育てていきましょう!