うりゃねこ解説

「鉢の土が乾かない」という現象についての考え方を解説します!

「真夏なのに鉢の土が全然乾きません!」

いつもは毎日水遣りしないといけなかったのに、急に土が乾かなくなった…
こういうことはありますよね。

こういう場合は苗の成長も悪くなっています。
悪くなくても、悪くなっていきます。

では、この原因は苗にあるのか?それとも土にあるのか?

これはどちらとも言えません。どちらも悪くなる要因だからです。
では、どう考えていくのか?
これを解説していきます。

根にダメージを受けたのか?

根がダメージを受けるとバラが水を摂取しなくなり、土が乾かなくなります。

では、この根がダメージを受けた原因は何なのか?

一番多いのが水涸れ

大きな水涸れを起こせば皆さんもすぐに気づくと思いますが、軽い水涸れというのは平気な場合もあれば大きなダメージになる場合もあります。

また、肥料過多の場合は軽い水涸れが「根焼け」という致命傷になる場合があります。
夏はバラの水分摂取、水分蒸発が強いので、軽い水涸れが土壌の肥料濃度を一気に上げてしまって根焼けさせてしまいます。
なのに、この根焼けを根腐れと勘違いしてしまう人が多いようです。

この対策は、まずは水をタップリ与えてしばらくは肥料を控えてケアしていきます。
そして、ピキャット・リバイバルから始めましょう。

根焼け防止は、真夏のぼかし肥料を控えることです。
リバイバルめぐみは肥料濃度が上がりにくくなります。

マメコガネ幼虫の食害

マメコガネの幼虫に根を食べられてしまい、バラが水を摂取できなくなることで土が乾かなくなることがあります。

軽く苗を引っ張ってみてください。
ぐらついたり、土から抜けそうなら食害に遭っている可能性は高くなります。
そうでなくても食害に遭っている可能性はあります。

この場合は不可抗力なので、幼虫を取り除いて地上部の負担を和らげ、育て治すことで苗は復活しやすくなります。

葉っぱの落葉

葉っぱが落葉して丸坊主になると、葉っぱからの水分蒸散が無くなってしまいます。
よって、バラの水分摂取量は極端に減ってしまいます。

この場合は慌てず、リスタートさせましょう。
土は乾かなくても水遣りを続けていったほうが回復が早くなります。

土が悪くなったのか?

土が悪くなれば土を替えるしかありませんが…
てっとり早く応急処置する方法をお教えします。
意外とこれだけで土が回復することが多いので、やってみてください。

鉢を斜めにしてみる

鉢を斜めにすると、もし鉢に余分な水が溜まっていたら底から水が出てきます。
これは排水性の劣化です。
鉢底に敷いてあるクリプトマルチを替えるなど、排水性を上げていきましょう。

鉢の表面の土を指でほぐしていく

根はある程度切れてもかまいません。畑を耕すように土を崩していきます。

魔法の水を与える

これは「魔法の水とは?」を参考にしてください。

何がしたいのか?

土壌を好気性に持っていくことをしています。
これで改善することが多々あります。

ただ、苗の状態も落ちている可能性があるので、しばらくは観察していきましょう。
慌てて何かをやると悪化させることもあります。

鉢がオーバーサイズ

鉢が大きすぎる場合も土が乾かない原因になります。
ですが、これは「真夏なのに」というわけではなく万年乾かないはずです。
苗の生育が思わしくない場合は鉢サイズを変えていきましょう。
こういうケースではどの時期にやっても大丈夫です。

逆に乾きすぎる場合

土が乾かないこともあれば、すぐに乾いて1日持たない場合もあります。
この場合の改善方法も解説しておきます。

鉢のサイズは適切か?

苗に対して鉢のサイズが小さければ、当然乾くのが早くなります。
こういう場合は、どの時期でも鉢増し可能です。

置き場所が暑くなりすぎていないか?

コンクリートの上などはかなり暑くなります。
これにより、バラの水分摂取ではない水分蒸発が多くなって乾いてしまいます。

すのこを敷いたり、コンクリートを隠したりすることで温度は下がります。
環境整備を考えていきましょう。

水を土全体で吸えていない

固まりやすい土によく見られることです。
鉢と土の隙間ができて水が流れ込んでしまったり、土がまだらになっている場合によく見られます。

こういう場合は、土が乾かない場合と同じように土の改善を試みてください。
鉢の表面の土を崩し、魔法の水を与え続けます。
これでも早く乾いてしまうようだと、土を替えるか冬まで地上部を切り詰めて耐えるかの選択になります。

皆さんで考えていこう!

ピーキャット流を実践している方は、もうすでにこういったことはご自分で考えていくことができます。

「もし間違っていたら困るし…」

そういう場合は、「こう考えたけど、どう?」と私に質問してください。

実際、何でも相談室では…
以前は「どうすればいいですか?」という質問や相談が圧倒的に多かったのですが…
現在は「こう考えたのですが、どうでしょうか?」という相談のほうが多くなってきました。

他力本願から自力に変わっていったということですね!

皆さんには私やスタッフがそばに居ますので、どうぞ自信を持って考えていってください。
間違えてもOK!いきなり正解を連発する人は出会ったことありませんから!