切り接ぎ作業が終わるとひと安心…ではありません!
実はここからの管理の善し悪しが、成功するか失敗に終わるかに大きく影響します。

苗作りというのは、ある程度育つまでの管理こそ大事です。

生産者の場合、切り接いだら写真のように一度ハウス内の畑に植えます。
そして、しっかり活着し充分に育つ状態であるものだけポット上げします。
いきなりポットに植えてしまうと、良きも悪きも育ってしまいます。そうなると、活着が弱い苗も皆さんの元に送ってしまうことになってしまいます。

皆さんの場合は畑に植えるなどということはできません。
直接ポットに植えるようになります。

活着が弱い苗も育ってしまうので、生育不良気味の場合は気をつけてください。

ポットに植え込んだら、最初は直射日光には当てないようにします。(昼間の室内程度の明るさは必要です。)
穂木の水分が奪われてしまい、失敗してしまうことがあります。

会員様の多くは衣装ケースを利用しています。簡易のビニールハウスみたいな感じですね。

温度は暑くなりすぎないように注意してください。蒸れてダメになることもあります。
ピキャットクリアは30~50ppmで定期撒布しましょう。

水やりは、芽がまだ伸びていないのでほぼ乾くことはありませんが、鉢の中の水が腐らないよう、数日に一度おこないます。

肥料は芽が吹くまでは与えません。
芽が吹いて葉っぱが展開してくれば、まずは薄い恵海から与えていきましょう。
芽が5~10cm位伸びたら、ぼかし肥料を少量与えていきます。

気をつけるべきは幼苗時の肥料過多です。
苗として立派に仕上げようとしてしまい、どうしてもここで肥料過多にしてしまう人が多く出てしまいます。

苗という完成品はありません!

いくら大きくとも太っていても、それは苗の価値ではありません。
苗の価値とは「伸びしろ」です。

それを大きく阻害する肥料過多には絶対にしてはいけません。
4月中旬まではじっくりと育てていってください。

5~10cmほど芽が伸びたら、直射日光に当ててもかまいませんが…
最初は直射日光に慣れてしないので、シュートがダランとしてしまうことが多々あります。
少しずつ慣らしてあげてください。
慣らしてもダランとした場合は、水をタップリと与えてあげれば元に戻ります。

この過程で、苗は水を一生懸命摂取しようと根を頑張って伸ばします。
葉が展開しているくらい伸びている場合は、枝先をピンチしてあげると乾燥にも耐えやすく根も伸びやすくなります。
新芽の部分はもっとも水分を必要とし、なおかつ奪われやすいので、苗の負担を減らし生長を促します。

外に出すときには風に充分気をつけてください。
支柱などを立て、風が強いときは風を避けてください。カンタンに枝折れしてしまいます。

苗の置き場所も気をつけてください。

こちらはピーキャット農場の新苗管理ハウスです。
黒いパレットが敷いてありますよね。
新苗を植えたポットはトレイに並べられ、このパレットの上に乗せて育てていきます。

パレットの間には防草シートが敷かれて通路になっていますよね。
新苗を植えたポットを防草シートに直接置けば、新苗の根は防草シートを簡単に突き破っていきます。
ポットをトレイに並べると1cmほど防草シートとの隙間ができますが、それでも新苗の根は防草シートを突き破っていきます。

それぐらい、バラの根は伸びていきます。
防草シートを突き破ってしまうと、主要な根は防草シートの下の地面に張っていきます。
そうなると、ポットの中の根は機能していない根だらけ…
これではいけませんよね!

だから、ピーキャット農場の新苗ハウスはパレットを敷いています。
高さ15cmあるので、これだと安心です。

皆さんもポットの置き場所はしっかり考えていってください。
ポットからはみ出した根が地面に張っていかないようにしていきましょう!

あと、わからないことや質問、相談などあればお気軽にお問い合わせください。

てんちょーがやってみた切り接ぎ苗管理例