有機栽培での施肥について解説します。
有機栽培での施肥の考え方、施肥コントロールのテクニックは、野菜や果物にも使える話なのでそれらも対象にした表現もしています。
ぜひ家庭菜園にも使ってみて、美味しい作物の収穫に役立ててください。
有機栽培は肥料で育るわけではありません
有機栽培(有機土壌を作り、維持しながら行う栽培)
…有機土壌では足りない栄養を、有機肥料で足していきます
有機栽培では、肥料は植物に与えるんじゃないのにゃ!
「土壌」に栄養を足すために与えるのにゃ~
どうして栽培では肥料を与えるのでしょう?
自然で育つ(自生できる)植物は、有機土壌だけで栄養が足ります。
大きくて甘い実を付けたり、たくさんの花を咲かせたり…
品種改良された品種は、有機土壌だけでは栄養が足りないから自生できません。
足りない分を足してあげるのが、有機栽培での施肥です!
有機栽培で肥料は土壌に混ぜないで!
肥料を土に混ぜ込めば、有機土壌は壊れます。
自然でも、生き物の糞や死骸のあるところは植物は枯れていきます。
しかし、そのまわりは植物が良く育ちます。
有機肥料は、足りない分を定植後に与えていきます!
施肥は生長に合わせておこないます
植物というのは栄養を作り出す生き物ですよね!
(光合成による糖・窒素からのタンパク質・酵素・ビタミンなど)
では植物はどこに栄養を貯めているのでしょうか?
実や花にたくさんの栄養を貯め、枝や幹には栄養を貯めることはしません。
バラの場合落葉樹なので、花盛りの時期とまったく葉が無い枝のみの季節がありますよね。
ですから、1年中同じ施肥というのは有機栽培ではおこないません。
生長や時期に合わせて施肥量や施肥タイミングを変えていくのが有機栽培の特徴です。
無駄な施肥をしない
「無駄な施肥」というのは、植物が栄養を必要としない時期に土壌に栄養分がたくさんあったり、植物が必要とする以上の栄養を与える事にゃ!
■無駄な施肥が病害虫を呼び込んでしまいます
(軟弱化、亜硝酸ガス発生)
■無駄な施肥で有機土壌が壊れます
(栄養バランス、微生物バランスが崩れる)
■無駄な施肥は枝枯れや変形の原因にもなります
(窒素過多、腐食菌の侵入)
肥料の使い分けテクニック!
大きさ、甘さを求めるなら、ぼかし肥料+リン酸で!
上級者向きの施肥コントロールテクニックです!
栄養生長時はリン酸を抑え、じっくり苗を成長させます。
開花時、実成時はリン酸を効かせ、栄養を実や花にしっかり送り込みます。
品質最重要視型の施肥となります。
(*有機栽培ではカリは安定させますので、効かすことはしません)
花数の安定、収量の安定は、リン酸の安定を!
繰り返し開花、繰り返し収穫する場合は、リン酸を安定して効かせます。
リン酸のコントロールが難しい初心者向きでもあります。
収量最重要視型の施肥となります。
液肥はメリットを活かして使っていこう!
■素早く効かせ、素早く抜くことができる
酷暑や冷夏などの天候不順時、生育不良からの立ち直り、シーズン終盤の施肥時など…
ぼかし肥料との併用がオススメですが、液肥だけでも充分すぎるぐらいの高品質です。