癌腫病を発見した場合の対処

癌腫病が発生した場合、その苗が購入して1年未満であるなら購入店に問い合わせましょう。
まず、その苗が感染株であった可能性が高くなります。

ところが、2年目以降は2次感染の疑いもあります。
剪定ハサミなどを除菌せずに使い回すと、他の株にも感染します。
根頭癌腫病は感染しても発症しない(瘤ができない)場合があります。
よって、他の株からの感染が否定できません。
ピーキャットは2年目も保証しますが、他店では1年未満の保証であることが多くなっています。

また、地植えの場合も保証対象外になります。
土壌が根頭癌腫菌で汚染されていれば、簡単に感染してしまいます。
この場合は1年未満でも保証されないほうが多いと思われます。

破棄すべきかどうか?

発症状態にもよりますが、基本は破棄します。
育て続ける場合は、必ず体内除菌を行って癌腫菌の存在を消してからにします。

癌腫菌が居なくなれば、瘤ができてもそれを取り続けることでいずれ瘤は出なくなります。
癌腫菌が居れば、常に発症と他への感染の脅威はつきまといます。

処置方法

これに続いて、土への対処となります。

外科的処置

癌腫病は細胞に感染し、その細胞が癌化して細胞分裂に異常を起こすことで瘤になります。
ただ、瘤にならない場合もあります。
細胞が感染したかどうかは目で見てもわからないので、瘤になった部分のみ取ることになります。

地際に瘤が出ている場合はナイフで丁寧に削り取って、削った跡に木酢液の原液を塗り込みます。木酢液を塗るのは、瘤を取った傷口から新たに癌腫菌が感染しないようにするためです。
根に瘤が出ている場合は、その根を根元から切り落とします。
また、近くの根もすでに感染しているケースが多いので切り落とします。
根量は半分程度になっても大丈夫ですので、できるかぎり切り落としてしまいましょう。

切り取った瘤や根には癌腫菌が存在しています。
癌腫菌は樹液に居ますので、切り取った瘤も根も枝もすべて除菌してから袋に入れて捨ててください。

ただし、これではバラ体内に癌腫菌が恐ろしいほど居ます。
これで癌腫病が収まることはありません。

内科的処置

これは体内洗浄の記事を参考にしてください。
その後、軽く苗を水洗いし、次は木酢液200倍をバケツに作って株元まで5分間漬け込みます。
隙間まで液が行き渡るように、ジャブジャブと洗うようにしてから浸けてください。

癌腫苗であったので、いろいろなところに癌腫菌が潜んでいる可能性があります。
当面は木酢液の酸性を利用して抗菌しておきます。
最後は軽く水洗いしてから植え付けてください。

土の対処方法

こちらについては、有機土壌とは?を参照してください。

対処後の苗

体内洗浄を行い、きれいな土に植えたにも関わらず、また瘤が現れる場合があります。

ただ、これは再発というよりも、癌腫菌の存在しない瘤の可能性が高くなります。

癌腫病というのは細胞に感染し、その細胞を癌化させます。
この癌化細胞はいつ細胞分裂を始めるのかはわかりません。
よって、何をしても癌化細胞が残っていればやがて細胞分裂を起こして瘤になっていきます。

ピキャットクリアで体内洗浄をしっかりおこなえば、癌腫菌の存在は無くなります。
ただし、癌化した細胞は残ったままです。
だから、その癌化細胞が植えた後に細胞分裂を起こして瘤になってしまうのです。

気になる場合は、植え替えの時にもう一度瘤を取り、体内洗浄を行ってください。