「無農薬の作物は自然毒を出すので農薬を使った作物より危険だ!」
これは本当なのか嘘なのかというと…農薬使用側が無農薬を蹴落とすために誇張している話ですので、デマという扱いで良いかと私は思います。
どうしてそんなことをしたいんですかねえ…
過剰な農薬批判も農薬擁護もどっちもどっち…それだと中立の人たちは農薬批判に引っ張られていくことがわからないんですかね…コロナワクチンと同じで…

では、わかりやすくひとつひとつ解説していきますね!

必要毒と不必要毒の違い

「毒」というのは不必要で存在させてはならないと思われがちですが、実はそうではないんです。
動物のヘビやスズメバチは毒で攻撃してきますが、植物は毒では攻撃してきません。あくまで自身を守るため、自然や生態系を守るための毒なんですね。
一方、農薬は作物を食べに来る病害虫を殺す毒なんです。つまり、攻撃するための毒です。

人間にとってはどちらも毒ですが、自然や生態系にとっては自然毒は必要な毒で農薬は不必要な毒となります。

無農薬でも農薬を使っても、けっこう病害虫にやられています

栽培現場の本当の話としては…
無農薬栽培も農薬を使った慣行栽培も、栽培現場ではけっこう病害虫被害は出しています。無農薬栽培をやっている人で、たまに虫食い痕が酷い野菜などを写真で出してくるので無農薬栽培は病害虫だらけみたいなイメージが持たれていますが、実際はそういうことではないです。

たとえば、慣行栽培農家から私は病害虫対策の相談を受けています。
ネコブセンチュウやスリップス、ハダニなどの退治が厄介な害虫、うどんこ病やベト病など、農薬を使っていても普通に出ています。栽培を知らない人たちは「農薬を使っているから病害虫が出ていない」と思いこんでいますが、そんなことはないです。
葉物野菜は虫食い痕や病痕は見た目でわかりますが、他は栽培途中で病害虫は出てますよ!
で…病害虫被害で植物自体が自身を守るために自然毒を出すのなら、慣行栽培の作物も自然毒は出しています!これが現場の事実です。
しかも、私が知る限りでは自身を守るために自然毒を出す植物はかなり早期に自然毒を大量分泌します。葉っぱが穴ぼこだらけになってからではないので…

無農薬だから、慣行だからということではないですね。

人間は自然毒などは味覚で感知できる!

虫食い痕や病痕のところって美味しくないですよね…栗なんて美味しくないと感じたら芋虫が居たなんてことは良くあります。
あれはタンニンやアルカロイド、テルペノイドといった苦みや渋み、毒性を持つ化学物質を生成したからなんです。ですが、皆さんが普段から食べている作物は安全だから作物として提供されています。アルカロイドはモルヒネやニコチンなどですが、植物によって違ってきますし皆さんが普段から食べている野菜は果物は大丈夫です。

ならば虫食い痕や病痕は食べて平気なのかというと…実はそうではないんです。
虫食い痕や病痕あたりは細胞が壊れて腐食しやすく、嫌気性細菌が増殖する可能性が高くなります。ですから、できるかぎり虫食い痕や病痕の周りは取り除く必要があります。

なにより、マズかったら食べないこと!

味覚は人間が持つ防除本能です。植物ばかりに頼らず、自身の防除本能も磨きましょう!そのためにも無農薬が良いのかな?

実は病害虫に対しての防御は自然毒以外にもあります

自然毒と聞くと、植物ならばトリカブトや毒キノコ類、食材ならジャガイモの芽などはご存知だと思います。もちろん、人体にとって危険ですよね!
で…植物が病害虫被害に遭うとこの自然毒が分泌されて危険だと脅されているわけですが…
そういうのは「昔ながらの人間の知恵」でなんとかやってきたのが人間の食文化です。こんなしょうもないことでああだこうだ言わず、おじいちゃん、おばあちゃんにいろいろ教えてもらいましょう!

ただ、「植物が病害虫被害に遭うと自然毒が分泌されて」はどの作物なのでしょうか?
皆さんはそれを知っていますか?知っているなら、その作物だけ気を付けて対処すれば良いですよね!

実は、植物というのは自然毒だけで食べられないようにしているわけではありません。実は植物は食べられたいんです!
それを頭に入れて次に進んでください。

植物は食べられたいから自身で調整している!

植物は食べられたい!
その最たるは「実」ですよね!実の中には種が入っていて、その実を鳥や動物に食べてもらって遠いところに種が入った糞をしてもらって、そして子孫繁栄します。
ですから、植物は実を食べてもらいたいんです。

ですが、まだ未熟な実はまだ種ができていないので食べて欲しくありません。
ですから、鳥や動物が食べないように毒を出したり刺激物(柑橘系のクエン酸など)、タンニンやアルカロイド、テルペノイドなどを分泌します。

また、落葉樹などは古い葉っぱを落とすためにわざと病気にかかりやすくなります。
若くて高い機能の葉っぱはしっかり守りますが、古くなったり傷付いて機能が落ちた葉っぱは植物自体が葉っぱを落とすために病気にかかりやすくします。

「植物→病害虫出現→自然毒」なんてのは自然や生態系の世界ではありません。

自然毒?それよりも大事な植物の防衛機能

有機栽培では病害虫対策に関しては自然毒は意識しないと思います。私は意識しません。意識するのはホルモンですね。
■ジャスモン酸…障害応答
■サリチル酸 …抗菌作用
■アブシジン酸…細胞保護
サリチル酸は医薬品にもなってますから有名ですよね!強い抗菌力を持つサリチル酸は植物が出すので植物から抽出されます。
あとはジャスモン酸の障害応答は有名ですよね。細胞を守るアブシジン酸もあります。

そして、実は植物によっては天敵を呼び寄せる機能も持っています。ちなみにバラは持っているんですよ!ですから、益虫の豊富な場所では少々の病害虫が居たほうが無農薬化しやすくなります。
(ピーキャット農場のハウスが良い例ですね)

こう考えてください!

虫食い痕や病痕は無いほうがもちろん良いです。でも、自然毒を変に捉えるのも良くありません。自然毒は自然や生態系の中にある必要なモノなのです。
その自然や生態系の中で生きている私たちは、その自然毒を自身の防衛本能で安全かどうかを見分ける力を持っています。

いろいろな考え方はあるのかもしれませんが、私たちは間違えても自然毒と農薬を同じ「毒」としてくくらないようにしましょう。