有機栽培って一体何なんだろう?は歴史から見ると簡単に理解できます。
皆さん、ご存知の方も多いと思いますので、要点だけしっかりと伝えさせていただきます。

日本は古来より何を栽培していた?

日本といえば米、主食どころかお金も米でした。
加賀百万石とか赤穂5万3千石など、武家の勢力も米の石高で決められていました。

古来より栽培
長い歴史を持ち、日本の食文化の基礎を築いた野菜。
渡来後、各地の風土に適応し多様な品種が生まれたものが多い。
明治以降に導入
明治維新後の西洋化に伴い、本格的に栽培・普及が始まった新しい野菜。
食卓や料理を多様化させた。

太平洋戦争以前の日本の栽培手法

太平洋戦争後に農薬や化成肥料が入ってくるまで、日本では2つの栽培方法がありました。


太平洋戦争までの栽培方法は人糞を使った栽培です。
日本は諸外国のように酪農や畜産が盛んではなく、貴重な肥やしは人糞に頼っていました。
「大家は店子の糞で持つ」と江戸時代に言われていたように、江戸長屋では住民たちの人糞を近隣の農家に売ってお金にしていました。
これが太平洋戦争以前の慣行栽培(通常行われてる栽培)となります。

一方、数少なかったですが高級食材を作る栽培もありました。

電気が無かった時代は菜種油を使った行灯(一般庶民は鯨油)が夜の灯りになっていましたので、その菜種油の絞りかす(現在の油粕)を栽培に使っていました。
数少ない馬糞や牛糞を藁やもみ殻に混ぜた堆肥も使っていました。骨粉や草木灰もこの当時からありました。
ただ、とても量は少なかったので一般農業では使われず、高級食材を作る栽培のみに使われていました。
現在でも油粕や骨粉、草木灰、堆肥類はありますよね。
これを使っていく栽培が現在の有機栽培のルーツとなります。
(地域的・栽培環境的に諸説あると思いますので、俺様の主張は必要ありません)

太平洋戦争後の日本の栽培手法

太平洋戦争後、アメリカから農薬や化成肥料が入ってきました。
日本は戦後の貧しさから脱却するために食糧増産計画が打ち出され、大量生産に最適な農薬や化成肥料を使う栽培が一気に普及しました。
人糞栽培→農薬や化成肥料を使う無機栽培→現在の慣行栽培となります。

そして、栽培で使われなくなった人糞は処理に困り海洋投棄するようになりました。
これにより、日本は海洋汚染に悩むことになります。

詳しくはこのYouTube動画をご覧ください。

一方、有機栽培の前身はそのまま残り、油粕や骨粉、堆肥を使う栽培が有機栽培と呼ばれるようになりました。
この有機栽培は農薬や化成肥料(無機物)を使う無機栽培の対義語として生まれました。
この時代より日本では酪農や畜産も一気に増え有機栽培で使う牛糞や鶏糞が大量に入手できるようになりましたが、大量生産に最適な農薬や化成肥料を使う慣行栽培が主流となり有機栽培は一部でのみされるようになります。

1970年代より始まった公害問題

農薬や化成肥料を使う栽培が一気に広まり、戦後の食糧危機はなくなりました。
その一方で公害問題…自然や生態系が一気に壊されていく時代になりました。

慣行栽培のメリット
■戦後の食糧危機が収まり、食生活が豊かになった
■人糞を使わないことで食の安全性が高まった
慣行栽培のデメリット
■自然や生態系が壊れていった
■農薬による新たな危険性がもたらされた
■米余りで減反政策、飽食時代に

これにより、

慣行栽培
農薬や化成肥料を使うことで
自然や生態系を壊す
有機栽培
農薬や化成肥料を使わないことで
自然や生態系を壊さない

と区別されるようになりました。
この時代には自然栽培も登場することになります。

平成に始まったオーガニックの波

平成時代になると世界的オーガニックの波が襲来してきました。
農薬や化成肥料は自然や生態系を破壊する悪、人間の健康を脅かす悪という位置づけとなり、嫌われ、敬遠される存在となっていきました。

ここで日本が打ち出した政策は
■有機JASの制定
■農薬保護政策

となります。
世界レベルのオーガニックに準ずる姿勢を取りながら、農薬の利権は守っていくという…
まあ、日本なのでどちらにも良い顔をする政策がとられたわけです。

農水省農水省

有機JASにあらずんば有機にあらず!
植物栽培は全て農業と見なす!
よって病害虫防除は農薬使用を強制する!

生類憐れみの令以来の、ものすごいお触れが農水省から出てきました。
これにより、古来より育まれた有機栽培のルーツは迫害され、消されることになります。
そして、日本では住宅地どころか室内の観葉植物でさえ病害虫防除は農薬使用を強制される国となります。

また、「特定防除資材(特定農薬)」なる摩訶不思議なモノまでが現れました。
(企画倒れっぽいのでこれについての発言はここでは控えます)
重曹、食酢、次亜塩素酸水と、大手企業が取り扱うモノだけが選出され、さすがにヤバく感じたのか「天敵」なんてのも特定防除資材になりました。

この平成時代はまさに有機栽培技術の受難時代…
有機JASに属さなければ農薬使用を強制され、何かにつけて迫害されていく時代を迎えます。
これにより、どれだけの昔ながらの栽培技術が失われていったのか…

緑の戦略システムで有機栽培はどうなる?

有機JASに属さなければ農薬使用を強制され、何かにつけて迫害されていった平成時代…
しかし、昔ながらの有機栽培や自然栽培を続けている農家は常連のお客さんを抱えているところが多いので、令和の世になっても強く生き続けています。

一方、有機JASはオーガニック給食など次々と慣行農業の市場を奪い拡大していくと思われます。
有機JASが拡大するということは慣行農業が縮小していくということ…この先はどうなるのか?はこれからです。

うりゃ指

行政の悪口を書いていますが、担当者の方々とはお互いが理解し合い妥協していく話し合いをやっていました。済んだことなのでどうでも良くて、これからは日本が良くなれるように頑張っていただければと思います