「まずは農薬のことを理解し、農薬に関してのモヤモヤとした気持ちを整理してからピーキャット流に向かった方が良いかも!」
というご指摘をいただきました。
ピーキャット流有機栽培は農薬を否定する栽培ではありませんが「使わないために知る」ことも大事ですね!
私たちがおこなうのは高級食材を作るための有機栽培なので、農薬を使うとか使わないとかそういう有機栽培ではないのですが…
有機栽培を語る上で農薬のことは話さなければならないので、先に済ませておきます。
猫でもわかるようにカンタンに話しますね!
農薬ってなに?
農薬というのは名前の通り、農業で使う薬のことです。
でも、薬とは言っても何かを治療するわけではなく…

大きく分けて、殺菌剤、殺虫剤(殺鼠剤を含む)、除草剤、てんちゃく剤、生物農薬の5つになります。
農薬は薬というイメージがありますが、病気を治すとかではなくて菌を殺し害虫を殺し雑草を枯らす薬剤ということです。ですから人間や動物の薬とはイメージが違ってきますね。あくまで「栽培にとって不都合な生き物を殺す目的」が中心となるのが農薬です。
農薬の危険性とは?
「栽培にとって不都合なモノを殺す目的」なのが農薬なので、これが人体や他の生き物や自然に悪影響を及ぼすのでは?というのが農薬の危険性として挙げられます。
これについてはさまざまなエビデンスがあり、安全というエビデンスもあれば危険というエビデンスもあります。
この農薬の危険性については
■農薬の直接曝露(農薬散布などで直接薬液を吸ったり付着したりする)
■農作物に含まれる残留農薬(農薬残留チェックで検出される)
大きく2つにわかれます。
農薬の直接曝露については、「いかなる者も農薬に曝露してはならない」という決まりがあります。
農作物に含まれる残留農薬についてはADI(許容一日摂取量)で管理されています。
農薬残留検索システム
農薬残留基準値内の作物であれば安全とされていますが、安全かどうかは個人の選択になります。安全と思う方は慣行栽培作物をOKとし、危険と思う方は有機栽培か自然栽培の作物を選択していく…個人の選択ができる社会であるべきですよね。
安全な物質も劇薬もなぜ同じ「農薬」のくくりなのか
農薬として登録されているものには、テントウムシなどの昆虫(生物農薬)もいれば、激痛でのたうち回る程の劇薬もあります。ほ乳類を殺す殺鼠剤も農薬で存在します。
田舎を散歩していたらペットの犬が突然のたうち回って泡を吹いた、なんてのも経験したことがある人はいると思います。実はピーキャットも何度か経験しています。病院に連れて行くと共通して肝機能が異常になっていたという検査結果でした。
どうして、かわいらしいテントウムシや超ヤバい劇薬までが同じ農薬となっているかというと…
「植物の病害虫防除資材は農薬登録されたモノでなければならない!」という農水省の法的解釈があるからです。
この法律は農薬取締法と言います。設立されたのは昭和23年です。
当時は、効果がまったく見込めないモノや人体に非常に危険な兵器などが農薬として売られていたため、農家を保護する目的で設立されました。
現在は農薬保護(農薬メーカーの利権を守る)のための法律になっています。お役所の人が堂々と言っていましたので、それが現在の法律となっているようです。
病害虫防除資材は農薬登録されたモノ以外は使えない?
農薬取締法ではそういう法の解釈が平成時代にされていましたが、実は栽培現場ではそうでもないんです。
硫黄やカルシウムがうどんこ病対策で使われるのは周知の事実だと思います。
ならば、これらは農薬でなければならないのか?
実は、硫黄やカルシウムとなると地下水に含まれてもいますし、この含まれた地下水でうどんこ病対策している地域もあります。
そのほか、農薬に含まれている場合もあれば自然に存在するモノ、日用品に含まれているモノなどもあります。
栽培現場では農薬登録されたモノ以外も普通に病害虫対策で使われています!
しかし、一方で農薬登録された農薬は保護され、農薬登録されていないものは疑似資材として迫害される事実もあります。
オーガニックの波が押しよせた平成時代、「反農薬」の動きが強くなりそれに変わる資材がいろいろ出てきました。そのため、疑似資材の取り締まりや農薬保護の動きが活発になりました。今は何も言われることはありませんが…どこが権力を持つかで今後は変わってくると思われます。
当店資材のピキャットクリアやガーディアンコートは農水省や保健所とも話し合いをおこなうなど対応しております。
特定農薬ってなに?
記載農作物の防除に使う薬剤や天敵で、安全性が明らかなものにまで農薬登録を義務付ける過剰規制とならないように、特定農薬という仕組みを作りました。
無登録農薬を禁止するために必要な制度上の仕組みであり、新たな規制を持ち込むものではありません。
と農水省は解説してます。
平成14年(有機JASが設立された翌年)、オーガニックの波が世界からやって来て日本もオーガニック化の考えが広まってきました。
農水省は慣行栽培と有機JASの2本立てで、それ以外は排除する考えでしたが、民間の動きは速く、さまざまなオーガニック手法が広まってきました。ここで使われる病害虫防除資材はいろいろあり、有名なところではTOKIOが鉄腕ダッシュで使っていた「無農薬農薬」なんてのがあります。オーガニックは農薬を嫌うので、こうなると既存の農薬が危機に陥ります。よって、病害虫防除できるある程度のものは認めますよ!というそぶりの「特定防除資材」というものが設立されました。
最初は大手が絡んでいる次亜塩素酸水(大手の電解水のみ)、重曹、食酢(未だに意味不明)が指定されました。そして、今後は次々と特定防除資材を増やしていくという約束だったのですが、蓋を開けてみればエチレンと天敵が追加されただけ…
しかも、食酢の意味は未だにサッパリわかりません(*^▽^*)
食酢メーカーが黒酢を栽培用で売りたかったというのはわかりますが、食酢で効果を示す成分は酢酸ですし、栽培でわざわざリンゴのリンゴ酢やブドウのバルサミコ酢は使わないはずです。
この特定農薬、今も機能しているかどうかは知りません。本来は次々と特定農薬に指定され増えていくと説明していたはずで、見事に騙された感があります。令和になるとすでに動きも見えないですし、今はどうなっているのかの興味も持たなくなりました。
薬剤の暴露をしっかり意識しましょう
「作物に含まれている農薬成分」よりも危険なのは薬剤への直接暴露です。
■農薬散布時に鼻から薬液を吸ったり皮膚に付いた
■近くの畑から農薬の臭いがした
■農薬散布したばかりの農薬散布地域に入った
…

暴露とは、「薬液にさらされる」という意味です。
この「暴露」は作物に含まれた濃度とは違い、とても危険です。
「何人も農薬に暴露してはならない」というのは「どのような濃度であれ、農薬成分に暴露してはいけない」という意味です。
ですから、農家は完全防備で農薬散布をおこない、農薬散布地域外に農薬成分が飛散・流亡を防ぐドリフト対策を徹底し、農薬散布地域は立ち入り禁止となります。
ピーキャットは農薬についてどう考えているか?
農薬を知っていただいた上で、ピーキャットは農薬についてどう考えているかの話をします。
(詳しくは第五章をお読みください)
農薬は危険です!ですから、できれば使うべきではありません。
しかし、農業には「人間の食文化を支えていく」という使命があります。この食文化を支えるというのは0か100かでどうにかなるものではなく、何かを得るためには何かが犠牲になる、メリットもあればデメリットもある駆け引きの世界です。
慣行農業・有機農業・自然農業が上手く折り合って安全性を高め、自然や生態系を保護していくことで、食文化が栄えていく
社会科学が考えるべきことはこういうことだとピーキャットは考えています。
にもかかわらず、栽培がいがみ合い、けなし合う世界になってしまっていることはとても残念に思っています。
実現できれば良いですね!
農薬の安全性はどこまでされているのか?
農薬というのは「農薬成分」を指すと考えていただいてけっこうです。
農薬残留検索システム
この農薬成分は、農薬を使った場合は農薬残留基準値チェックが必要になります。
では、どこまで農薬残留基準値チェックがされているかというと…
あくまで抜き打ちです。
農薬散布地域外に農薬成分が飛散・流亡しないために、農薬を頻繁に使う作物は果樹ならドリフト対策用のネットが張られていたり、野菜などはハウス栽培で防いだりします。
稲作、小麦、露地野菜などはドリフト対策が難しく、その対策は大きくムラがあります。
風が強い日でも平気で農薬散布している農家もあれば、とても気遣って飛散など最小限に留める努力をしている農家もあります。
中には民家のすぐ隣の畑でドローンで農薬散布するといった業者もあるので…
薬剤の暴露については、栽培現場ではかなり徹底管理されるようになってきました。
「歩道で除草剤使え」なんて訳のわからないことを言う人もいるみたいですが、歩道は通学路になったり、赤ん坊のベビーカーも通りますし、ペットの散歩もしています。
ただ、一部の公園や施設では農薬の認識が薄く、農薬を散布したのに立ち入り禁止にしていないケースがあります。
まだまだこれからの感が強いですが、農薬成分は危険だからこそ、安全に扱い、安全性を担保していくことを忘れないようにしましょう。
農薬曝露は危険ですので農薬散布地域に入ったりしないこと、農薬の臭いがしたらその場から離れるようにしましょう!
排除よりも共存・共栄がピーキャットの願いです!
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