施肥コントロールを覚える前に、このタイミングで「有機栽培は足し算ではない」を覚えていただくと、この先の話がとても理解できるようになります。
少し栽培に詳しくなると、「鉄分を入れたほうが」、「硫黄を足したほうが」、「葉っぱの白化はマグネシウムが」などなど、栽培が足し算になってしまう人が多く居ます。
次々と足していき、気付けば土壌が壊れてしまっている…そういう現場は農業でもよく見ます。
有機堆肥も入れれば土が肥沃になると足し算的に入れてしまい、土を壊す農家もたくさん居ます。
どうして足し算になるのか?
それは現場で起こる良くない事象を「不足しているのでは?」と思い込んでしまうからなんです。
施肥コントロールをする場合はこの思い込みが大きな障害となります。
ですから、ここで「有機栽培は足し算ではない」を覚えていただきます。
- 葉の白化現象が!
- 葉っぱの白化はマグネシウム不足で起こっていると判断してしまいがちですが、高等な植物ほど酷暑は光合成を嫌がって白化させることが多くあります。
- 葉に黄変が!
- 肥料を与えても成長が良くない、葉っぱが黄変する場合は硫黄不足を疑いがちですが、実際は肥料過多で水を摂取できていないことが多いです。
- 鉄分が足りていないような症状が…
- 鉄分不足は、要らぬモノを足すことで鉄分が何かと結合してしまい不足してしまうことが多くなります。
「~が不足しているのでは?」
は、植物栽培だけではなく人間の健康管理でもそうなりますよね。
しっかり栄養管理された食事を摂りながらも山のようにサプリメントを飲む…これは人間の性なのかもしれません。
ただ、人間は余分なモノは排出できる機能も備わっているので良いのですが、植物や土壌はそういうわけにはいきません。
ですから、本当は不足していないのに足してしまうと成分バランスが崩れ、栄養バランスが崩れ、微生物バランスが崩れ…
有機土壌の命となる「バランス」が崩れるリスクが大きくなるわけです!
有機栽培は有機土壌がベースで、常に有機土壌を維持できるようにリバイバル潅水をしています。
ですから、何かが不足するとかは起こりません。
言い替えれば、リバイバル潅水こそ最高のサプリメントなのです。
ですが、確かにこれでは足りない成分があります。
有機土壌は自然で自生できる植物以上の植物、つまり自生力を失った品種改良植物には大きく足りないモノがあります。
■窒素 …タンパク質の素
■糖 …生体エネルギー
■リン酸 …窒素や糖を消費させる
■カルシウム…細胞強化
です…
カリやミネラル(微量要素)は有機土壌、ぼかし肥料や有機堆肥に含まれている分で充分です。ですから、意識しなくても大丈夫です。
作物によっては効果が出せる成分もありますが、それ以上に有機土壌を壊してしまうリスクが高いので意識はしないでください。
例えばサツマイモはカリ肥料を足すことで品質が上がりますが、他の作物では弊害が起こります。
(作物は作物ごとの解説でやります)
この大きく不足する、窒素、糖、リン酸、カルシウムをどう足していくか?だけを考えていくのが施肥コントロールです。
巷の栽培は「不足しているから足す」ことを「○○を使うと効果的」と表現しています。
鉄分が不足してしまう栽培手法だから鉄分を足しているだけ、硫黄が不足する育て方だから硫黄を足しているだけと考えましょう。
有機土壌なら充分足りています。





