うりゃ指

施肥コントロールするのは「糖」、「窒素」、「リン酸」、「カルシウム」の4つです。

「糖は植物が光合成で作るんだから施肥とは関係ないのでは?」
と、ふとそう思った人は…正解です。糖は施肥しないですよね!
でも、あとで「なるほど!」と思えますのでこのまま進んでください。
では、今回は一つずつ解説してみようと思います。

日本の土壌と水だからカルシウムを足す意識を!

まず、この4つのうち先に片付けてしまいたいのがカルシウムです。
このカルシウムは日本だからこそしっかり足しておきたい成分です。
日本の水は大半が軟水で、軟水はカルシウムが少ない水※を言います。
まして、日本では肥沃な土壌ほど水が軟水という…
カルシウムは土壌だと様々な成分と結合して失うことが多いのも特徴です。
ですからピーキャット流有機栽培はこのカルシウムを葉面散布で与えます。
カルシウムを葉面散布すると絶大な効果が!のようなことはありませんが、有機栽培が有機土壌をベースとするように、日本の有機栽培はカルシウムが常に足されている状態にします。
このカルシウムはピーキャット資材ではピキャット・Caになります。
葉面散布で使うので有機物はふさわしくないので化学肥料となります。

(軟水について※マグネシウムの量も関係するが話が逸れるので割愛)

糖は光合成で作られるので光合成の意識となります

ここは難しいので、理解していただくことを第一に簡単にして解説させていただきます。

品種改良された果樹やバラなど栄養を多く必要とする作物では、自分の光合成量の限界を考えずに糖を欲することで品質上位を保てるものがあります。
栽培環境や条件が良ければ糖は足りますが、近年の酷暑で光合成が弱まったり雨が少ないと糖は足りなくなっていきます。
実は、そういう事をすでにカバーしているのが有機土壌で、リバイバルには糖が配合されています(糖が要らない場合はリバイバルライト)

すでに有機土壌で糖は用意されているので、ピーキャット流有機栽培では糖を足すことはしません。
ですが、糖の生成を多くするためには光合成を多くさせる必要があります。

うりゃ指

では、どうすれば光合成量が多くなるのでしょう?

イメージ的には、
・マグネシウムを与えて葉緑素をたくさん作る
・栄養生長時にリン酸を効かせて枝葉の量を多くする
などがあります。
実はこれらはあまり意味はなく、逆に光合成量を落としてしまう場合も…
こういうことはピーキャット流では考えません。

光合成を強くするのは、光合成に必要な光エネルギー、水、二酸化炭素が関わってきます。
光エネルギーと二酸化炭素はどうにもなりませんので、土壌の「水」をしっかり意識していくことになります。
京野菜作りの達人たつじいがいつも土の保水を気にしていたのはそういうことなんですね。

こうなると、これは施肥ではなくて水遣りでもあるんですが…

  • 動物の細胞は伸び縮みしますが、植物の細胞は細胞壁があるので伸び縮みしません。
    植物の細胞は常に水がパンパンに張っていないと細胞分裂に支障が出ます。
  • 光合成は水をたくさん使うので、水が多いと光合成量は多くなり糖の生成も多くなります。
    逆に水が少ないと光合成は弱くなり糖の生成は減ります。
  • 土壌の窒素が多い(EC値が高い)と根は浸透圧が弱まり水を多く摂取できません。
    逆に窒素が少ないと浸透圧が上がってしっかり水を摂取できます。
  • 水が多いとリン酸が起こす消費パワーは大きくなり、水が少ないと消費パワーは小さくなります。
  • 酷暑では植物は体内の熱を気化熱で逃がすために葉っぱの気孔からの蒸散を多くします。
    そうなると光合成に水を回せなくなり光合成が弱まります。

 

うりゃ指

美味しい作物を生産している農家が水遣りに躍起になるのは、こういうことでもあります。

土壌に足す意識を持つのは窒素だけ

有機土壌では足りない分は肥料で足す…これの意識を持てるのは窒素だけです。
栽培では窒素が効いてるか効いていないかで肥料が足りているか足りていないかを判断しますよね。
ですから、巷では未だに窒素の塊の硫安や窒素分が多い肥料がもてはやされます。

ピーキャット流有機栽培もその意識はしっかり残すようにしています。
そのほうがカンタンなので…
そして、有機土壌に足すのは窒素分だけという意識を持ってもらいます。
そのために必要なのは土壌の窒素濃度(栄養濃度)で考えます。
計測できる人はEC値でもかまいません。

■肥料を足していない…土壌の窒素濃度は有機土壌の窒素濃度

■肥料を土に足した …土壌の窒素濃度は肥料の分が上がる

ぼかし肥料や有機液肥は窒素以外の栄養素も多く含まれていますが、それは意識しなくても大丈夫です。
有機肥料を使う恩恵ぐらいで考えてください。
あくまで意識するのは窒素濃度です。
有機肥料の恩恵が要らない酷暑時の窒素補給や収穫終盤の窒素補給、窒素不足ですばやく窒素補給したい場合はピキャット・アミノを使います。
ピキャット・アミノは窒素肥料で化学肥料です。
化学肥料なので葉面散布でも使えますが基本は土壌潅水します。

うりゃ手

肥料を有機土壌に足して、土壌の窒素濃度を上げると考えてくださいね!

リン酸を葉面散布で効かせる!

肥料を効かせるのではなく足すのが有機栽培だと解説していますが…リン酸だけは「効かす、効かせない」で考えます

リン酸を土壌に入れるとすぐに結合して無くなってしまいますので、リン酸を大量に入れる栽培が多く見受けられますが…
そうなるとリン酸の使用量ばかりが増えて、それに見合った効果は得られません。
それならば、葉面散布で確実に効かせた方が良いというのがピーキャット流有機栽培の考え方です。

リン酸は窒素のように濃度で考える必要も量で考える必要もありません。
効いているか効いていないかだけで考えていただければ大丈夫です。
そして、リン酸を効かせれば窒素や糖の消費量は上がり、効かせなければ窒素や糖の消費量は下がります。
このコントロールがどうして必要なのか?は品質重視型の有機栽培独特の考えなので後ほど詳しく解説します。

このリン酸コントロール、リン酸の葉面散布はピキャット・ありんを使用します。
葉面散布ですので有機肥料ではなく、化学肥料を使うことになります。

いかがですか?考え方はカンタンでしょ?

ピーキャット流有機栽培は、どなたにでもカンタンに達人技の有機栽培を実践してもらう栽培技術です。
そして、品質重視型の栽培をとてもイメージしやすくしているので実践的だと好評をいただいております。

さて有機土壌までは純粋な有機栽培ですが、施肥コントロールになると化学肥料が3つも出てきます。
ここで「有機栽培ではない!」と批判されることもありますが、わざわざ有機に縛られて栽培を難しくしても仕方ないですよね?
縛ったり縛られたりは興味ないので、そういうことに興味のある方は他のところでどうぞ!

うりゃ指

ピーキャット流有機栽培は現場で実践するための栽培技術です。
次からは、どうやって施肥コントロールするのかを解説していきます