「量の概念」なんて聞くと、とても難しく感じるかと思いますが、カンタンに言うとこんな感じです!




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農家、家庭菜園家、ガーデナーに関わらず、年配の方々は農薬とか肥料、活性剤などに関わらず適用と量と回数ばかり聞いてきます。
■適用…どの作物の何に効果があるのか
■量 …どれぐらい使うのか
■回数…何回、どれぐらいの間隔で
これ、歴史をたどれば戦後に農薬や化成肥料が入ってきたことによります。
それまでは先人たちがやってきた栽培をそのまま受け継いできたのですが、いきなりアメリカからよくわからない農薬や化成肥料が入ってきました。何かよくわからないけど、書いてあるとおりに使うと書いてあるとおりの効果が出る、だから別に何も知らなくても考えなくても書いてあるとおりやれば良いんだ!
という名残で、適用と量と回数しか興味を持ってくれません。
実はこれは法律すらそうなっています。
農薬取締法も肥料法も、栽培する人が何も考えなくても書いてあるとおりにやれば書いてある効果が出せるようにしています。
つまり、「何かよく分からないモノを使うんだから、何も考えなくても安全に効果が出せるようにしているから、書いてあるとおりに使いなさい!」
というのが農薬であり化成肥料なんです。つまり、昭和時代の慣行栽培なんですね。
これはかなり表現が悪いかもしれませんが、戦後の食糧難から脱却するための「それ作れ!いっぱい作れ!何も考えるな!とにかく作れ!」という政策の流れです。
現在の栽培現場では「量や回数で考えるのはおかしくないか?」という慣行農家も増え、有機栽培や自然栽培は「量の概念」なんてのは元から持っていない(目安でしかない)ので今は栽培の考え自体が変わってきています。
皆さんも「量の概念」なんてのは早く頭から取り除いてください。
そのために知っておくべき知識を簡単に解説しておきます。
植物は水に溶けた栄養を摂取します

人間は食べ物を口から入れて胃で消化して腸で吸収します。
植物は土で肥料が分解され、水に溶けた栄養を根から吸収します。
ですから、人間は食事量で考えますが植物は水に溶けた栄養濃度で考えます。
水に溶けた栄養濃度は変わります
水に溶けた栄養濃度ですから、土の保水率で栄養濃度は上下します。
暑い夏はマルチングなどしていても土の水分が奪われ蒸散し土が乾きやすくなります。
カルピス1、水9で作ったジュースが300ccあるとします。これで100㏄が蒸発すればカルピス3、水7でカルピス濃度が30%増えますよね。
これが土でも起こります。
土が乾けば栄養濃度は上がり、土が水を多く含めば栄養濃度は下がります。
植物の水の摂取量は成長度合いや気温、湿度で変わります
・植物は、夏は自身の熱を外に放出するために、葉っぱの気孔から水を蒸散させて気化熱を利用します。
・光合成を強くしたい時期は水を多く摂取します。
・湿度が低いと水分を奪われないように水の蒸散を控えますので、水の摂取は少なくなります。
などなど…

植物は水の摂取量を変えていきます。
水の摂取量が変わるということは栄養摂取量も変わるということです。
生き物の栄養摂取とは?
生き物の栄養摂取は…
自動車のように、どれだけガソリンがあるからどこまで走れるとか、どれだけの電流と電圧ががあればどれだけ光るかという考えではありません。
皆さんは明日マラソン大会だからマラソンを走れる分の栄養を前日に取ろうとはしませんよね?
夏場はこってりよりもさっぱりで栄養摂れた方が良いですよね。
塩辛いのを食べたら喉が渇いてあまり食べられなくて、薄味ならたくさん食べられることもありますよね。
夏場に痩せちゃう人もいれば、夏場に太っちゃう人もいますよね。
お腹が空いたときに食べたらしっかり栄養摂取するけど、お腹いっぱいだとあまり栄養摂取しないとか…
こういうの、言いだしたらキリがないですよね。
これは植物も同じなんです。
量さえ与えておけばなんとかなるということではなく、どれだけ植物に合わせてあげられるか?
そう考えていきましょう。
量の概念はとても古い思考なのです
「量の概念」というのは、これは致し方ないことでもあります。
たとえば、「○○反の畑でニンジンを○○収穫する場合は肥料は○○使う」という風に前もって生産計画を立てます。栽培より先にお金の計算が必要になってきます。
これは家庭菜園やガーデニングでも同じで、あらかじめ資材を用意してから栽培しますよね。
まとめて買うとお得だし、資材を揃えておけば安心というのもあります。まして、きっちり使い切れば自分は腕が良いなんて勘違いする人もいます。
でもこれは、人間の医療に例えるなら、もう薬は必要ないのに買っちゃったから飲んじゃえ!みたいなのと同じ事です。
栽培スキルを上げるには、量の概念という固定概念をまずは捨てることが大事です。
上記の説明だけでも量の意味はまったく無いことがわかりますよね!
難しく考えず、まずは濃度とタイミングを大事に!
「量」の考え方から濃度やタイミングの考え方に変わるのは、これは時間が掛かります。
ですから、ここでは「そういうものですよ!」ぐらいに覚えておいてください。
これからピーキャット流有機栽培を実践していただいていると、「なるほど!そういうことだったのか!」と体感してもらえると思います。
ですから、答えをすぐに求めなくても大丈夫です!
農家でも体感しなければモノにならない…でも、栽培初心者さんでも体感できればすぐに会得できるんですよね!






