うりゃしゅん

慣行農家が自然栽培を馬鹿にし、自然栽培家が農薬や化成肥料を批判する…
そんな悲しく意味の無い事が、今現在実際に起こっています。

そもそも、農薬や化成肥料を否定するために登場したのが有機JASなんですが、今はとても混沌としています。

この様はもはや栽培現場での栽培技術とは関係ない、政治的・宗教的・利権的なものになってしまいました。

今回は皆さんに理解していただきやすいよう、いきなり栽培現場の話をしてみます。
まずは栽培現場の声を聴いてから、オーガニックを理解していただければと思います。
できるかぎりカンタンに理解してもらえるようにしますので、ご一読ください。

では、皆さんには果菜類の幼苗を植えていただきます。

慣行栽培

慣行栽培は
元肥(化成肥料)を入れて土の栄養濃度を高めてから植えます。

有機栽培

有機栽培は
有機堆肥を入れて土作りをし、肥料は入れずに植えます。

自然栽培

自然栽培は
自然土壌のまま、もちろん肥料は入れずに植えます。

ここである疑問が出ます。

Q

まだ幼苗で根もしっかり張っていないのに、窒素やリン酸はたくさん必要なのだろうか?

この疑問に対して、このような栽培知識が出てきます。

■幼苗時は根量を増やしたいので、窒素をあまり効かせたくない
■窒素が多いと幼苗の根焼け、水不足が心配
■リン酸は色々な物質と結合しやすく、早期に失うリスクが
■幼苗時にリン酸が効いていると根量は少なくなりがち
■果菜は生長サイクルがあるので元肥のみの施肥は向いていない

こういう話を聞くと、有機栽培や自然栽培は優れていますが、元肥を入れる慣行栽培は良くないように聞こえますよね?

慣行栽培技術は大量生産型
有機栽培技術は品質重視型
自然栽培技術は自然利用型

の栽培ですので、栽培技術の話を聞けば有機栽培技術や自然栽培技術のほうがとても好感が持てるように感じやすくなります。
ただ、栽培というのは「何を求めて栽培するのか?」というのがあります。

「たくさん作れ!」、「美味しさ優先で作れ!」、「自然第一に作れ!」、「見た目重視で作れ!」、「安価に作れ!」、「高く売りたい!」、「農薬を使わずに作れ!」、「硝酸態窒素を減らして作れ!」、「えぐみを出さずに作れ!」、「広い畑で作れ!」…

これらは栽培環境栽培条件と言います。

栽培する人は、この環境や条件に合わせて慣行栽培技術、有機栽培技術、自然栽培技術を選択していきます。
ですから、何が優れているとか劣っているかというのは、栽培現場では栽培環境や栽培条件に対してのことになります。

栽培環境や栽培条件に最適な栽培技術を選択するのが栽培なのですが、そこが理解されずによくわからないマウントの取り合いがされてしまいます。
ですから、まずはマウントの取り合いとなる固定概念、無意味な決めつけを取り除いて栽培、オーガニックを考えていただければと思います。

慣行栽培技術、有機栽培技術、自然栽培技術に関わらず、一人でも多くの方が栽培に興味を持っていただき楽しんでもらえることが大事だと私は思います。
農薬が身近に使えない現代だからこそ、オーガニック技術が広まっていく必要があります。

うりゃ指

慣行栽培、有機栽培、自然栽培を商品と見るからマウント合戦が始まります。
栽培技術と考えれば、それは現場では選択肢に過ぎないわけです。