私は15年以上前から有機栽培をやっていて、農薬成分を使わない栽培を皆さんにも取り組んでもらっています。
ということで、私はオーガニック側です。
が…
今のところ、無謀なオーガニックに対して農薬擁護で医師や研究者などと議論を繰り返しているのが現状という…
一方で、Twitterでは慣行農家から噛み付かれてばかりという…
時代の変わり目に翻弄されているような状態です(*^▽^*)
ここで一部の方からこういう指摘をいつもされています。
「オーガニック側なのに、どうして農薬の擁護をするんですか?」
今回はこれについての私の本音を書きます。
これからはもう農薬擁護はしないと思いますけど…
大義はここにあります!
日本の本当の自然を取り戻したい!
これを言っているのは日本でも極少数です。
そのごく少数の人たちは、日本の本当の自然の美しさを知っている。
私は日本の真っ赤な秋を幼少の頃に見て、今でも目に焼き付いています。その美しさと情緒は…
でも、今生きている人たちの大半は見たことがないと思います。田舎で生まれ育っても知らないし、忘れている人も…
取り戻せないだろうけど、少しでも取り戻して後世に残してあげたいよね!
という思いがあります。
一方では、日本が築いてきた食文化、ガーデニング文化を失ってはいけないという思いもあります。
アホな極論では「自然保護するなら自動車に乗るな!」ってことになりますが、もちろんそういう戯言は必要ありません。
日本の食文化、ガーデニング文化、人々の生活、日本の自然…
これらが共存できる仕組みこそ私たちの大義です。
現場主義だから現場にそぐわないモノは受け入れない!
現実的に難しいことを無理矢理ねじ込むと、他に影響が出ます。
政治や行政はよく現場無視のことをやってくれますが、その裏では多くの犠牲を生むことになります。
米作りで除草剤が使えなくなったらどうなるのか?
果樹で殺虫剤や殺菌剤が使えなくなったらどうなるのか?
これに対する技術がしっかり確立されているなら使わせないようにすればいいと思います。
でも、それが存在しない…
私は無農薬技術を研究開発していますが、まだまだ無理です。
対案が無いのに批判だけするのはおかしい!
でも、この対案はいずれ出てきます。人間はそうやって進化してきました。技術はそうやって進歩しています。
ただ、日本で農薬を失うのは時期早々…
だから今現在は農薬擁護をしているわけです。
農薬は擁護しても慣行農家を擁護をしていない
農薬を使わないと慣行農家はメシが食えなくなるというのは、それは私には関係ありません。
そもそも、普通に苦しいんだから変われば良いだけ。
飯を食うなら品質向上や生産コスト削減、独自の販売ルートを作るとか、それこそ無農薬でやれば良い!
ここを勘違いされることが多いんです。
慣行農家へは、品質向上や生産コスト削減で協力することはありますが、農薬擁護に手を貸すことはありません。
「農薬は使いたくて使っているわけではない!」←じゃあ、使うなよ!
「農薬は適正利用できている」←狭い日本の農地でドリフト問題ゼロなんてできるわけない!
「農薬を使っていても平気だ!」←個人差だよ!
「農家は自分が食べる分も農薬を使う!」←面倒くさいからって使ってるじゃねえか!
「農薬は仕方ないから使っているんです!」←そうだよねえ、仕方ないよねえ!
…
そういうことです(*^▽^*)
農薬は擁護していますが、慣行農家を擁護しているわけではありません。
農業もこれからは競争社会!と言われてもなかなか変われない…
でも、儲けているところはバンバン変わってきている!そういうものです。
原則は農薬使用は反対です!
私は農薬使用(農薬成分の使用)は反対しています。
でも、現状の栽培技術だと仕方ないから農薬を使わざると得ないという考え方です。
まして、人々の生活に農薬成分があってはいけません。
農薬を使用する場合は充分注意をして、万全の対策をして使用することになります。
となると…
家庭菜園やガーデニングなど、住宅地での農薬成分使用は現実的には不可能です。
慣行農家は平気で使うそうですが…
人々の生活と農薬成分は共存できないモノですので、作物には農薬残留基準値がありますし、欧米では家庭菜園やガーデニングでは原則農薬は使えません。
日本はズレちゃっていますが、そのうちまともになると思われます。
「農薬成分は使わないなら使わないに越したことはない!」
これが総意であるなら、次の動きになってくると思われます。
現場から見た農薬使用の現実
世界的に見て日本の農薬は?とか、日本は高温多湿でとかは…
こういうのは机上のつまらない話で、現場で見るのは「どういう作物か?」になります。
日本の農地の半分以上は田んぼ、つまりは稲作です。
米作りが全て有機栽培になれば、日本の農地の70%は有機となれますね(*^▽^*)
実際、米作りってそれほど農薬は使いません。除草剤は使いますけどね。
農地法が改定されて、もっと集約できればもっと農薬使用量は減ると思われます。
農薬成分を使わずドローンでピンポイントなんてできればさらにおもしろそうですね。
日本の農薬使用が多くなるのは畑のほうです。
特に多いのが果樹ですね。続いて、表にあるようにキャベツは農薬使用量が多いです。
果樹は日本の産業として他国に譲れないでしょうが、キャベツとか日持ちがするものは他国で生産させる動きになるんじゃないかな?
と、これは私の推測です。
オランダが切りバラをケニアやタンザニアで作らせているように、流通が確立できれば農薬使用が多くて日持ちする作物は海外で!という動きになる可能性は高いですね。
農地と住宅地が極めて近い日本で作るよりは断然効率的で良い選択です。
農薬が使えなくなっても、こういうことになるから作物は失わないよね!と考えられます。だから、お好み焼きもとんかつに寄り添うキャベツもずっと食べられる(*^▽^*)
そうなると、日本では稲作や果樹以外の露地栽培は消えてハウス栽培、つまりはイスラエルみたいな感じになるのかな?
ハウス栽培だとドリフト問題も解決しますしね!
そもそも、日本の農業は外国人研修生という名の労働力に支えられていますので、実際はもう限界は超えてるんですけどね。
食品自給率でやあやあ言ったって、作り手はすでに外国なんです。
まあ、こういうのは政治や外交や利権が大きく絡んでくるのでどうなるかはわかりませんが…
時代が動けばいろいろ動くということで、「こういうこともあるかもねえ!」程度で理解しておいてください。
農業は変わらざるを得ない
農薬規制はますます高まり、農薬成分が使えなくなる日はそう遠くないと思われます。
実社会では「農薬が使えなくなったらどうしようか?」という話題が多くて、有機栽培や無農薬栽培に興味を持つ方が農業・家庭菜園・ガーデニング問わず増えてきています。
皆さん、心の準備は進んでいるみたいです(*^▽^*)
また、農業では有機栽培化が促進され、減農薬や無農薬化に進む農家も増えてきました。
そのスピードは私が思っていたよりもずっと早く、まだ解決できていないことが多いのにヤバいなあと…
ということで、私は事業を全て若い人に譲って研究開発メインでやることにしました(*^▽^*)
ただね…
まだまだ準備ができていないし、無理や無茶の有機栽培化、無農薬化だと日本の食文化を失うことになります。
だから、少しでも現場に頑張ってもらわないとね…
でも…私のゴルフ満喫ライフが訪れるまで寿命が持たないかもしれないじゃないか(`Д´)
冗談ですけど…
昔はね、農村の票をとても大事にしてくれていたんです。だから、落ち込んだ産業なのに手厚い保護があった。
今なんか田舎では選挙カーも通らないし、通っても通ってるだけ…
車から降りてきて握手を求めてくる→お仕事お疲れさまとマイクで言っている→今は素通り→姿も見ない
時代だなあと思います…
農薬擁護なんて、どの代議士もどの学術者も興味は持たないですからね。
でも、オーガニックならいっぱい寄ってきます。これが現実です。
ただ、誰かが無謀なオーガニックを止めないと、現場が混乱し、多くが潰れることになります。
いろいろあって、現場目線では今のところは農薬擁護というのが事実なんですよね…(*^▽^*)
もう農薬擁護はしないけどね…