「重曹は特定農薬だから、使えば無農薬栽培ではないのでは?」
これに対し、私は「特定防除資材は農薬ではない!」と言ったら一部の慣行農家が叩いてきたので仕方なく書いてみました(*^▽^*)
Twitterはねえ、あの文字数で解説なんてできないから噛み付かれてばかり…
面倒だなあ…
そもそも、有機栽培とか無農薬栽培とか、言葉遊びになっちゃうのに意味は無いんですけどね…
グレー的存在ならそれでかまわないかな?と私は思います。農薬側だってグレーばっかりだしねえ(*^▽^*)
物事はなんだってケチつけようと思えばいくらでもできる!
つまらない批判にはウンザリです。
今回の話は「重曹を使えば無農薬栽培ではない!」に対して、そうとは思わないということで「特定防除資材は農薬ではない!」と言いました。
これについて書いてみます。
まず、特定防除資材が設定されたときのことですが、当時は農水省が農薬保護に躍起になっていた背景があります。
15年ぐらい前かな?
オーガニックの波がチラホラしてきたとき、植物栽培では農薬を使わない、農薬の代わりになるモノがいろいろ出てきました。
木酢液が流行し、食酢と焼酎を使った「ストチュー」なんてのはご存知の方も多いと思います。
そして、皆さんご存知の鉄腕ダッシュですね(*^▽^*)
リーダーが病害虫防除としてくっさいくっさい液を作って畑にまいてました。あれで流行りましたよねえ!
「おい、あれは農薬取締法違反じゃないのか!」って…まあそうやってクレーム付ける人もいたんでしょうねえ…
これに対し、危機感を持った農水省が農薬保護に躍起になりました。それはそれは…
しかし、オーガニックの波はジワジワ押し寄せる…農薬批判も強くなりつつある…
そこで登場したのが「特定防除資材(特定農薬)」です。
登録農薬以外でも植物栽培の病害虫防除に使えるモノを設定することで他を「疑似資材」として抑え込んでしまう対策をしました。
この目的はあくまで「農薬保護」のためです。これは農水省みずからが言っていました。
でも、鉄腕ダッシュは続けて使っていました(*^▽^*)スポンサーはあの企業ですし…
特定防除資材なるモノが出現した背景には、すべてこの農水省の強い想いがあるからです。
植物の病害虫防除は農薬でなければならない!
この想いを貫き通すことで農薬自体が崩れてしまいました。
テントウムシが農薬となり、食酢までもが…
日本古来より自然に存在している生き物や、これも古来より食されている食酢までもが「農薬だ!」と、農薬保護のために農水省はやってしまったわけです。
これに対して、昔から有機栽培や無農薬栽培をおこなっている栽培家からはブーイングが出ます。
でも、有機栽培や無農薬栽培を実践している者は日本ではごくごく少数だったので…強引に設定されてしまいました。
重曹、食酢、次亜塩素酸水
これを聞いて私らは呆れかえりました…どれも大手企業が扱うものばかり…
結局はそういうことか!ということで、まあ無視していました。
そして、すぐに「黒酢入り病害虫予防スプレー」なんてのが商品化されてましたよね。
さらに、結局はそういうことかと…
重曹…炭酸水素ナトリウム
食酢…酢酸
次亜塩素酸水…次亜塩素酸
これらは菌やウィルスに対して影響を与える物質です。
でも、そういう物質は世の中にはたくさんあります。そして昔からずっと使われ続けています。
「寿司のシャリが酢飯なのはどうして?」を知っている人は食酢の意味がわかると思います。
酢酸成分を持った食酢が菌に影響することぐらい、植物の病害虫防除に限らず広く知られていることです。
これをわざわざ特定防除資材とする理由は…
植物の病原菌に効果を示すモノは農薬でなければならないを押し通そうとした結果、矛盾に満ちたモノになっちゃいました。
私は「植物の病害虫防除は農薬でなければならない!」そのものに反対していますし、現場としてはもう通用していないことです。
紫外線や乾燥、菌の生存競争でも病害虫防除できるのに、「すべて農薬」は時代じゃないと考えています。
だから「特定防除資材は農薬ではない!」と私は言っています。
ここで少し不可解なことがあります。
次亜塩素酸や酢酸は農薬成分からは外されています。重曹はすでに農薬としてカリグリーンなどがあります。
これをどうしてわざわざ特定防除資材としたのか?
まあ、いろいろな思惑はあったんだとは思いますけど…
私の考えはこうです。
農薬として使いたいなら農薬で良いし、農薬として使いたくないなら農薬じゃなくて良い
無農薬栽培をしている人は重曹や食酢や次亜塩素酸水は普通に使えば良いし、慣行栽培している人は病害虫対策用資材として販売されている特定防除資材を農薬として使えば良い。
一般家庭でも普通に使われているモノに対して、言葉の縛りで何かの制限なんて必要ないと私は考えています。
私は特定防除資材が悪いとは言いません。
ただ、世の中には農薬以外にも病害虫防除できるものはたくさんあります。それを規制をかけて潰すのは何か他の意図があるのでは?と、どうしてもそう思えてしまいます。
そこで、私はこう考えています。
特定防除資材とは?
■殺菌効果・防虫効果として商品化できるモノ(対象は資材メーカー)
■有機JASや特別栽培などで使えるモノ(対象は有機JAS農家などの規格ある栽培)
■農薬とするのも農薬とはしないのも使う側の判断
全て理解し、今までやあやあやってきた結果の私の判断です。
異論はあるでしょうが、それはそれ!
コロナと同じく、自分で判断すべき事だと私は考えています。
特定防除資材が設定されていたときとは現在は状況が大きく変化しています。
有機化、無農薬化の加速は凄まじいモノがあります。だからこそ、農薬保護のためにはこれを改善すべきです。
植物の病害虫防除は農薬でなければならない!
もう時代はそうじゃない!
最低限、農薬は農業での薬とし、植物栽培全般に当てはめることがないように…
と、私は考えています。
これは余談ですが…
重曹はすでにカリグリーン(訂正:ハーモメイト)などが存在しているのにわざわざ特定防除資材としたのはどういうことなのか?
今はクエン酸と混ぜてなにやらあるみたいですねえ。私はよく知りません。
私は重曹はオススメしていませんが、使うのは良いことだと思います。
食酢はどうして食酢としたのかがちょっとねえ…
「野菜サラダにドレッシングでバルサミコ酢をかけたら農薬散布ですか?」っていう笑い話もありますが…
これは黒酢を病害虫防除で商品化したかったんでしょうね。
でも、食酢というのは本来は保存食目的で使われていて、強いのは殺菌力ではなくて抗菌力です。
これは酢酸の特徴ですね。
酢酸はセルロースになれるので細胞強化としての活性剤的役割が大きくて、木酢液も現在は病害虫防除というよりは活性剤として愛用する人も多いですよね。
わざわざ特定防除資材としたのが現場的にはよくわかりませんし、これを農業で使えば酢でむせてやってられないのでは?
むせない程度に薄めたら、効果はほぼ得られないかな?(*^▽^*)
次亜塩素酸水はあのメーカーのモノだけが特定防除資材となりました。
厚労省はいろいろな製法の次亜塩素酸水を広く認めましたが、農水省は見て見ぬフリ、気付いていないフリを続けています。
まあ、いいんじゃないかな(*^▽^*)
ただ、現場で効果を出すにはコツがあって、それを知らず導入してお蔵入りというのをよく見ています。
残効性ゼロなので農薬代わりとはいかないですしね。
ということで、それなら登録農薬を使った方が良いよね!という…そういう特定防除資材かもしれませんよ(*^▽^*)
ここまでわかっていての発言なので、ご意見は尊重しますが批判は無視しています。
変なのが来るので、とりあえず書いておきました(*^▽^*)