「農家は農薬を使いたいとは思ってない!」
「農薬コストはバカにならない!好きで農薬を撒いてはいない!」

まあ、世間に正当性を示すのはかまいませんが、私に言ってきてもねえ…(*^▽^*)

では、本当に農家は農薬を使いたいとは思っていないのか?
ある千葉県のメロン農家がやたら私に農薬の不正利用があるなら通報しろ!暴露しろ!とうるさかったので…
もちろん、私は通報も暴露もしません。
その代わり、これの本当の話をしようと思います。

私は減農薬化や農薬コストを抑えたい慣行栽培農家に、有機栽培技術をお教えする仕事をしていることは皆さんご周知の通りです。
別に有機栽培農家とならなくても、慣行栽培に有機栽培技術を取り入れている農家はたくさんいます。
土作りや病害虫防除など、今では慣行栽培で有機栽培技術は普通に見られます。

なら、答えはカンタンですよね?

農薬を使いたいと思っていないなら使わなきゃいい!なのに、どうして使ってるの?

これの返答は「日本の食は農薬が支えているんだ!」ってなると思います。
日本の農家は多すぎるという意見もあれば、農薬撒いてでも日本の食を支えていると主張したり…
なのに、食糧自給率はとても低く、獲れすぎで単価が下がってばかり…
何が本当なのか?

本当のところはここにあります。
農薬を使いたい理由と使いたくない理由があるということですね。

じゃあ、「農家は農薬を使いたいとは思ってない!」と主張しているのはどういうことかというと…
農薬批判に対する言い訳だと思います。

農薬を使いたい理由

■病害虫防除手段は農薬に頼ると安心だから
■病害虫防除が確実でカンタン心だから
■農薬でないと病害虫を止められないから

農薬を使いたくない理由

■農薬代がバカにならないから

こんなの子供でもわかることです(*^▽^*)

私は慣行栽培農家の農薬コスト削減で病害虫防除などお教えしてますので、農家がどう考えているかなど普通に知っています。
農薬を減らす、さらに農薬を手放すときの農家が味わう恐怖感は誰よりも知っています。

こういうことをブログでは話したくはなかったのですが…
千葉県のメロン農家がやたら通報しろとか暴露しろとうるさかったので…
こういう話をしてみました。

病害虫防除を農薬に頼っていた農家が農薬を減らしたり、まして手放すのはとても勇気が必要です。
減農薬や無農薬を始めると、畑の様子が気になって気になって…見回りすることがとても増えます。

「農薬って安心感を得るためだったんだなあ…」

こういう感想はいっぱいいただいています。
だから減農薬や無農薬を始めて数年は、この安心感を失うこととの戦いになります。
でも、この恐怖感はじつはスキルUpなんですよね。
「この虫は害虫ですか?益虫ですか?」、「この症状は生理現象に見えますが病気ではないですよね?」
いっぱい質問が来ます(*^▽^*)
農薬に頼っていた時期には目にしなかった畑でのことがたくさん見えてきます。単純に心配で畑の見回りが増えただけなんですが…

この安心感や恐怖感は農業も家庭菜園も施設管理もガーデニングも同じです。
ただ、農業は飯が食っていけなくなる恐怖感がハンパないのでそれは理解してあげるべきです。

でも、今は昔とは違って「何が悪いんだ!」と主張する農家よりは農薬散布に負い目を感じている農家が多いんです。
私に相談してくる場合は「このままでいいんだろうか?と思っている」とよく聞きます。
それが農薬コストの場合もありますが(*^▽^*)、食への安全や自然・生態系保護であることも増えてきました。

私が有機栽培を勇気栽培と言うのも、この「農薬に頼らない勇気」を言っています。

私は農薬コスト削減からでも全然かまわないとは思っています。
普段は気にしていない自然・生態系保護や近隣住民のことは後回しでも…
年間農薬使用量が数百万の農家が数十万になればものすごいコスト削減になりますし、数百万分の農薬が散布されなくなるので数百万分の自然・生態系保護ができます。
困るのは農薬会社だけですね(*^▽^*)

地球温暖化がますます進んでいるというニュースもありました。
食の安全での批判にビビらずに、農業から自然・生態系保護をリードする時代に!ならないかなあ…

肥料代や農薬代が上がり、さらにいろいろなモノが値上がりしています。
作物の単価が上がらないとやっていけない農家がものすごく多いというのをあちらこちらで聞いています。
でも、上がらないと思います。

ということは!
ウチの有機栽培技術の需要がますます増える!ことはないです(*^▽^*)
私はもうそろそろ現場からは引退したいので…