Twitterでのやあやあと言い合いになったのは、まあ珍しい事ではないので…
農業では「ユーザー目線の意識」というのが昔から欠如してしまっている業界で、だからなかなか商にはつながらない。
商は商に任せっきりだからいつまでも単価が上がらない、ユーザーニーズを見抜けない状態が続いています。
農家になるには栽培技術よりも先にマーケティングを習うべき!
スマート農業が発展すれば、そういう時代は来るのかもしれません。
ウチと関わっている農家がネットだけで完売させちゃうのは、栽培技術という土台に強い商があるからです。
ただ、強い商なんて大げさなことではなく、ユーザーはどう考え、何を求めているのかを見ようとしているだけです。
でも、この「ユーザー目線」で農家とぶつかることが多いんですね。
ウチの店には農薬が嫌いな人、農薬で体調不良が起こる人、農薬が不安な人、化学物質過敏症の方などが多数来られています。
自然栽培かと思ってこられた方も多くおられます。
「慣行栽培や有機栽培、自然栽培を分けることに何の意味があるんだ!」
慣行農家側からこういう声が上がりましたが…もちろん、これがユーザー目線だからです。
プリップリの美味しい作物を食べたいのも、農薬リスクゼロの作物を食べたいのも、ミネラルいっぱいの作物を食べたいのも…
これはユーザーニーズです。
私たち農家は、このユーザーニーズに応えていることになります。
一方で、違うユーザーニーズもあります。
プリップリの作物など食べたくはない、農薬を使っても美味しい方がいい、安くて美味しけりゃいい、高くても安全第一がいい…
私たち農家は、このユーザーニーズにも応えていくことになります。
そして、そのユーザーニーズの選択が「慣行栽培・有機栽培・自然栽培」という栽培方法となります。
農家が「分けることに意味があるのか!」と言っても、ユーザーニーズはこれで分かれています。
売り場を見れば書いています。ユーザーは売り場で見て何を買うか決めるのです。
だから、商として慣行栽培や有機栽培や自然栽培のマーケティングがあるわけです。
このマーケティングが商としてのやり甲斐であるし、ユーザーの楽しみでもあります。
では、農家の立場って何でしょうか?
私はユーザーニーズに応えることだと思っています。
ユーザーに支持されてこその農業、作物であると考えています。
そして、そこには競争があります。昔のような寄らば大樹とか村八分などのいやらしい世界は過去のことで、今は農家同士がしのぎ合う世界でもあります。
どうしてしのぎ合うのか?
これからの農業は、今のような日本の中だけでの争いでは済まなくなると考えているからです。
グローバル化、世界が相手となる日もそう遠くはないと思います。
ウチの農家ユーザーはその意識がとても強いのでノウハウは全然出してくれない(*^▽^*)
ウチの店の宣伝にならないんだよねえ…でも、それは良いことです。
でも、今回の農家の立場はまったく違う反応になりました。
農薬の適切ではない使用方法は現在でもされている
これね、慣行農家は私の言葉と思うんですよね。
でも、これって残念ながら多くのユーザー(消費者)が思っていることです。だから確かな店で買わなきゃと思うわけです。
嘘だと言われても、私はこういう声をずっと聴き続けているわけです。
それ以前に、農薬は危険だ、世界の先進国では使われていない農薬だ!というのも消費者は知っています。
このユーザ-目線の中で、それでも農薬は必要なんだ、日本の農業はすごいんだと理解してもらうにはどうするか?
農薬は安全なんだ!
農薬は農家が全員使用方法を遵守しているんだ!
農水省は使ってOKと言っているんだ!
いくら言っても届かない…私はそう思うんですよね。
でも、私を批判しに来た慣行農家はそれしか言わないんですよね。それが注意喚起とか正義だと思っているようです。
こういうことはずっと昔からのことで、でも悲しいかなユーザーニーズはさらに農薬に嫌悪感が強くなる一方…
世界情勢も相まって、日本もいずれは化学農薬が使えない日がやってきそうです。
だから、つまらない注意喚起や正義感は要らないです。
ちなみに、私がガーデニングでの農薬使用をきつく禁止だと訴えているのも農薬を失わないためのひとつの要因となれるようにという意味もあります。
農薬が日本で使えなくなる、これを私は避けたい!
だから、こう伝えて抵抗しているわけです。
農薬は危険だ!使用方法も遵守されてないことがある!農水省や厚労省の基準には疑問点もある!
でも、農業はこう進化しているんです!農薬も必要なんです!と…これが私がいつも言っていることです。
まあ、慣行農家にはまったく伝わりませんでした(*^▽^*)
(私を叩きに来た)
農薬が嫌いな人、農薬で体調不良が起こる人、農薬が不安な人、化学物質過敏症の方など…
ウチのユーザーはとても理解してくれています。農薬の必要性も理解してくれています。
でも、農家の立場が違う方に向いている人たちにはユーザーニーズはどう見えているのか?
自分を主張するよりも、まずはユーザーニーズあっての農業に転換してもらえればと思うんですよね…
「慣行栽培や有機栽培、自然栽培を分けることに何の意味があるんだ!」
まあ、仕方ないです。
方向が違う人にマーケティングなんて言ったら「通販で完売?偉そうに!」と言われるだけですし
あちらはあちらでやってもらうとして…
今は新規就農したい人、農業や栽培が好きな人が農家になるのを断念することが多いんです。
ウチは農業高校にも資材や技術提供しているので、ここで学んだ人たちが農家になれないことをとても懸念しています。
農業仕事は追い込まれやっつけ仕事になってしまうことが多いけど…
だからこそ、ユーザーニーズに応えていける、ユーザーの顔が思い浮かぶような農業であって欲しいと思います。
ウチのバラ苗生産や施設園芸も、そろそろ世代交代…
これからの若い人たち、学校で学んでいる人たちが活躍できる日本の農業の場であって欲しいなあと…
そのためにも、くどいですがユーザーニーズあってこその農家の立場!存在であることを意識してもらいたいですね。
やり方、考え方は違えど、農薬が嫌いな人、農薬で体調不良が起こる人、農薬が不安な人、化学物質過敏症の方のユーザーを多く持つ私の話に耳はしっかり傾けてくれるし、少なくとも嫌みや批判はしないでしょ(*^▽^*)
以上です。